荒川の氾濫で250万人の広域避難が必要。避難先に空き家利用を検討してみる

冠水する折立の道路

2018年8月22日、江東五区広域避難推進協議会が3日間の総雨量が荒川の周辺で632ミリメートル、江戸川の周辺で491ミリメートルという未曽有の集中豪雨を想定すると

5区の総人口約260万人の9割以上が住む地域が50センチメートル以上浸水する予測を示しました。

海抜ゼロメートル地帯が広がる東京都東部で大規模水害時の対応を検討してきた「江東五区広域避難推進協議会」は二十二日、浸水が想定される区域図と避難計画を示した。

水が二週間以上も引かない地域が発生するとの想定を初めて公表。

高層階に逃れてもライフラインの断絶で生活は困難になるため、人口の九割以上に当たる二百五十万人を隣県などに広域避難させる方針を打ち出した。だが、具体的な避難先は示されていない。

現時点で、この事態を想定した公的な広域避難場所は確保できておらず、計画では「各自で確保した親戚や知人宅などに避難を」との呼び掛けにとどまっている。

引用:東京新聞より

確かに、誰しも真っ先に思うことは250万人の人が数日から数週間、どこで避難生活すれいいのかですよね?

自民党の石破茂元幹事長が言及された「被災者の避難先としての空き家利用を」に賛成なんですが、江東五区広域避難で実施可能かどうか、ぼんやりしててわからないので、一度検討してみたいと思います。

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空き家避難先に関するガイドラインの要検討

自民党石破茂元幹事長

2018年7月16日、石破茂元幹事長も西日本豪雨の被災者の避難先について、「いま全国に空き家がいっぱいある。全国にどんな空き家があってどう整備していくかだ」と愛知県豊田市の講演で言及されたそうです。

整備内容を検討する前に首都圏に実際どのくらい空き家があるのでしょうか?

首都圏の空き家数はどのくらい?

下記は平成15年、20年、25年の全国の都道府県別空き家数、空き家率の表です。

直近の平成25年の数字を参考に検討していきましょう。

都道府県別空き家率

出典:資料:総務省統計局「住宅・土地統計調査結果」

また、下記に平成15年、20年、25年の1都3県の空き家率を並べてみました。

<東京>

平成25年の空き家数82万戸です。

この表の都心5区は中央区・千代田区・港区・新宿区・渋谷区です。http://www.mlit.go.jp/pri/kikanshi/pdf/2016/63-4.pdf

荒川、江戸川周辺の江東5区は荒川区・足立区・江戸川区・葛飾区・江東区です。

その他地区の空き家率は2.1%なので、単純計算すると21.8万と考え、そのうち江東5区は6万戸。

東京都内での江東5区以外の空き家は76万戸ということにします。

ブロック別空き家率(東京都)

出典:国土交通政策研究所報第 63 号 2017 年冬季

<神奈川>

平成25年の空き家数49万戸です。

ブロック別空き家率(神奈川県)

出典:国土交通政策研究所報第 63 号 2017 年冬季

<千葉県>

平成25年の空き家数37万戸です。

ブロック別空き家率(千葉県)

出典:国土交通政策研究所報第 63 号 2017 年冬季

<埼玉県>

平成25年の空き家数36万戸です。

ブロック別空き家率(埼玉県)

出典:国土交通政策研究所報第 63 号 2017 年冬季

平成25年の空き家は1都3県で198万戸(概算)となり、1世帯当たり2.2人とで計算すると、114万戸(=250万÷2.2)が必要なので、数字的に足りるので、その前提で避難先として整備について考えていくべきと思います。

空き家の改修にかかるコストの推計

避難先として空き家を活用する際にかかるコストは、主に入居者の代わりに行政から家主に支払う家賃負担と、空き家を居住できる状態にするための改修費の二つに大別されます。

家賃に関しては相場になると思いますので、今回は改修費について考えてみます。

地域安全学会論文集 2017.3に「空き家利用による応急仮設住宅制度の実現可能性に関する分析―和歌山県を対象としてー」があります。こちらの資料を参考してみましょう。

災害時の活用を目的として行われたものは筆者の知る限りにおいて存在しないが,U ターン・I ターンの移住者の受入れのための空き家の改修事例を取り扱ったデータは多数存在しますので、そこから算出してみます。

和歌山県紀美野町における民家改修事例をもとにコスト評価を行った調査で、2014 年時点では,ほとんど損傷のない空き家が紀美野町内の空き家全体の 40%程度を占めており、このことから,地域によっては仮設住宅として活用できる空き家が一定数存在すると考えられます。

空き家の改修及び仮設住宅建設にかかる費用

出典:地域安全学会論文集 2017.3

南海トラフ巨大地震発生時に,和歌山県全体で1800~3600 世帯分の空き家が応急仮設住宅として供給できそうで、これらの空き家を応急仮設住宅として活用することにより、応急仮設住宅供給にかかるコストを増加させることなく、プレハブの仮設住宅を建設する戸数を削減できると考えることができます。

居室部、水回り等の両方の改修まで行うと単価が650万(東日本大震災時の仮設住宅1戸の平均的な価格700万)ですので、114万戸を改修すると単純計算で7億4100万となります。

緊急避難先としてはそのままで利用可能な空き家で、250万人の避難先戸数が足りれば、理想です。

空き家所有者にもメリットのある空き家避難先利用システムを設計・運用することにより,空き家を社会貢献の一環として他者に貸し出す所有者の割合は,少なくとも平常時よりは増加すると考えられます。

応急仮設住宅としては居室部、水回り等の両方の改修まで必要かもしれませんが、一時的な避難先利用の場合、利用後に居室部の改修及びクリーニング費用だと前者より抑えられます。抑えられた金額の一部を家賃とは別に支給するシステムがあれば所有者としてはメリットが多いとわたしは思いますが。

<メリット>
1、利用後の改修及びクリーニング
2、家賃
3、抑えられた金額の一部

システム設計が超難関

避難のために空き家をゆっくり決めてる時間はあまりありません。

災害時に混乱しないシステムにするためにはお年寄りが利用でき、子どもからお年寄り、障害者が避難しやすい空き家を選択できないといけないと考えます。

行政としては管理サーバに空き家情報を整理して掲示板に載せておく必要があります。
掲示板は所有者が載せやすく、避難者が簡単に検索、選択しやすいように。

主にスマホやタブレット、PCで避難先空き家用の掲示板を見ることを想定してますが、インターネット回線がパンクしかねません。テレビのリモコン利用やアナログ的にコールセンターでの対応が必要になります。(コールセンターは災害時に急に人が揃うかですが??)

空き家の鍵の受け渡しについては一次避難所(主に学校等公共施設)で行う前提です。鍵は所有者が一次避難所預けておくのが理想ですが、その場合通常時の鍵の管理も必要となります。

江東五区から出るための移動手段もパンクしかねないです。

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最後に

いろいろ考えましたが、250万人の避難がとてつもない難題であることはわかりました。

わたしは地震より水害の方が被害地域がある程度しぼれるので、災害時の空き家利用は避難先や応急仮設住宅として有効と思ってます。

まずは、東京都と江東五区で調査して1都3県で避難先利用のみを合意して頂ける所有者数の把握するための調査を実施しないと、空き家利用に関しては先に進めないと思ってますが、予算、人員ともに

250万人の避難想定を公表したのですから、来年も『この事態を想定した公的な広域避難場所は確保できておらず、計画では「各自で確保した親戚や知人宅などに避難を」との呼び掛けにとどまっている』とならないことを望みます。

そのためには普段から防災・減災に当たる人員の確保も大切です。

最後の最後に、わたしは公務員ではありませんが、わたしのなかでインフラ整備なども含めたいろいろなところで公務員を大幅に増やさないと日本は立ち行かなくなっていくという思いが常にあります。現状、公務員一人一人にに効率を求め過ぎてると。雇用も増えますし。

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CY

1970年長崎県五島生まれ 現在、家族は妻、息子の2人 品川区在住、品川区勤務 好きな作家:池井戸潤、伊坂幸太郎、真山仁 好きなドラマ:救命病棟24時、医龍 好きな映画:グローリー 好きな女優:石田ゆり子、イングリッド・バーグマン 好きなスニーカーメーカー:PATRICK