うなぎ、アユが迷子にならないための魚道作りは生態系にものすごく重要

魚にある正の走流性

2018年8月1日、Eテレ「又吉直樹のヘウレーカ!」の放送で日大の安田陽一教授をゲスト解説者として迎え、テーマ”魚も迷子になりますか?”という又吉さんの疑問に対する回答の話がありました。

実際、砂防えん堤場などの構造物があるため、うなぎやアユなどの回遊魚を含む水生生物は移動できないで、迷子になるということが日本の多くの川で起こってます。

えん提

出典:NHK

ということは、テーマに対する表面上の回答は”魚は迷子になります”という回答で終わりですが、このテーマの本質は魚が迷子になるような川の作りは水生生物の生態に悪影響を及ぼしていたということであり、今後、迷子にならないように魚道を作ること、魚道のあり方をどうしていくべきかという投げかけです。

代表的な日本も回遊魚

出典:NHK

生態系の一部である人間にとっても大切なことなのでご紹介いたします。
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魚の川での通り道、魚道

これまでの日本の川と魚道

これまでの日本の川で行なわれてきたほとんどの河道整備は、自然河道と違う排水能力の向上を基本にいるため、河川を蛇行河道から直線河道に変えるもので、さらには河川の断面も床固め工などに見られるように複断面化されてます。

複断面水路

出典:Slide Serve

自然河道にあるような洲を残していない河道は増水時に流れが広がりにくく一定の岸や川底に集中します。すると河岸浸食が起きやすくなるためそれを防ぐ護岸工事が必要になり、また、現在多くの川では問題になっている河床低下も起きやすくなっております。

次に魚道についてですが、これまで作られてきた魚道のほとんどは断面が箱型をしていました。

箱型の魚道

出典:NHK

箱型だと水の流れはどこも一定でした。

箱型魚道の水の流れ

出典:NHK

安田教授の考えた魚道

安田教授は壁の両脇を斜めにし、弱い流れを生み出す魚道を提案しました。この弱い流れのところがあるおかげで魚が上って行きやすくなりました。

軟水でカルシウムが少ない日本の川では魚類のエサとして不可欠なエビやヨコエビ、産卵のために河川を遡上したり降下したりする必要のあるモクズガニなどほかの水生生物も利用できるようになることが確認されています。

また、側面の傾斜が45度以上だと鳥が立ってられず、そのため魚道のすぐ脇で捕食者が待機しているというお馴染みの光景の対策にも有効なのです。

台形型魚道の水の流れ

出典:NHK

あれ?実際は魚道(画像の向かって左側)の方が流れが早くなってるのですが・・・矛盾しません?

実は、魚には正の走流性(水の流れが刺激となって起こる走性)と特性があるため、魚道の方に行きやすいように水を速く、多く流れるように魚道を作ってあるのです。

神流川の柏木砂防えん堤の魚道

出典:NHK 神流川の柏木砂防えん堤の魚道

それでも、迷う魚はいるみたいです。迷った魚のためにはえん堤の右側に石組みの魚道を作ってあります。

石組みの魚道

出典:NHK

安田教授は2005年長崎の雪浦川でエビが上りやすいように魚道の脇を斜めにしたところ、エビが流されず大量に上ってきたことがきっかけで、台形型の魚道がいいことがハッキリしたそうです。

立体交差してる魚道

神流川の中ノ沢第一砂防えん堤ではえん堤の落差は10メートル(5mごとの本堤と副堤の段差)、河道幅の制限がされていることから,下記画像のように,副堤に設置された折り返し魚道は内側から外側に折り返し,下流部で立体交差する構造としました。

中ノ沢第一砂防えん堤の折り返し魚道

出典:NHK

この立体交差魚道は2017年4月から運用が開始され、魚道内を多くの渓流魚・底成魚の遡上が確認されてますので、色々な条件はあると思いますが15メートル以上の高低差のえん堤も立体交差魚道で対応可能ということですね。

安田先生が最も言いたいこと

安田教授の専門は水産学ではなく土木工学。その専門領域に立ったうえで、動植物の生態環境にも有効な河川整備、なかでも魚道と川のつながりを取り戻す方法を提案しています。

魚道は、生態系のバランスを守るためにも欠かせないものなんです。

川はただ流れればいいというわけではなく、例えば産卵して死んだサケが分解するための淀んだ場所も必要です。

しかし、人の手が入るとそうした場所がなくなっていることが少なくありません。さらに言うと、洪水のときに水が速やかに海に流れればいいという「排水路」的な考え方で川をつくっていることも多く、これは生態系にとっては深刻な問題なんです。

環境問題がクローズアップされている中、この相矛盾した考えをどう調和していくかが大きな課題ですね。

引用:athome教授対談シリーズこだわりアカデミー

 

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最後に

今回のこの放送でわたしは魚道の大切さを初めて知りました。安田教授は昔から川を工事するのは水を利用するためか洪水対策のためでしたので、4~5万とある魚道が本当に機能するように考えられて作られたものは少ないとのことでした。

確かに、ここ1世紀、人は人が地球上で繁栄するためだけの行為を行ってきただけかもしれません。大気汚染(二酸化炭素の大量排出)、海洋汚染(プラスチックゴミの大量流出)などもそうですが、魚道もただ作っただけに過ぎなかったと言えます。今、やっとそうだったと気付きはじめた国が少しずつ増えてきましたが、やっとです。

今まで人のためだけに作られてきたものを今後は生態系を維持するために機能するものに作り直すことで、世界経済が活性化されることが今後の世界のあるべき姿のような気がします。

お客という人への過度のサービス向上だけに目を向ける時代は終わりに近づいてることを提言することが先進国そして日本のあるべき姿であって、今の猜疑心の塊のアメリカ、トランプ大統領はあり得ないと思ってます。

ちょっと、話が変なことになりましたが、この記事で今の魚道というものを知って頂ければ幸いです。

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CY

1970年長崎県五島生まれ 現在、家族は妻、息子の2人 品川区在住、品川区勤務 好きな作家:池井戸潤、伊坂幸太郎、真山仁 好きなドラマ:救命病棟24時、医龍 好きな映画:グローリー 好きな女優:石田ゆり子、イングリッド・バーグマン 好きなスニーカーメーカー:PATRICK