オレオレ詐欺が日本で多いのは外では本名を隠す文化残ってて、一人称が日本語ならではで多彩だから

田村淳さん

2019年1月17日の「ろんぶ~ん」(NHK Eテレ)のテーマは特にお年寄りを狙う卑劣な犯罪”詐欺”でした。

その中で”オレオレ詐欺”がなぜ日本でこれほど広がったのかを、日本語の特性から考察し、論じた言語学の論文を番組内で整理され、わかりやすく説明されていました。

この日本語の特性を気にして、親をはじめ家族に電話をかけることで、オレオレ詐欺”の小さな対策につながるのではないかと思い、紹介します。
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一人称代名詞の日本特異の使用が”オレオレ詐欺”を誘発

家族への電話で掛け手の名乗りが避けられるのはどうして?

“オレオレ詐欺”は日本語に原因が

大高博美教授

出典:NHK

論文の作者は関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科教授大高博美さんです。

日本語・英語などを比較し言葉の特性を研究している言語学の専門家です。

大高先生は子どもの頃からご自分の名前が死ぬほど嫌いでしたので、家族への電話は名乗らなかったということでしたが、結婚以来、妻に電話で名乗ってないことで、”オレオレ詐欺”とつながっているのではと思いついたのです。

“オレオレ詐欺”は日本語に原因の一端があるのではないか?

例えば英語では「I’m Jhon」、「My name is  Jhon」など平気で下の名前を使いますが、「もしもし、博美だよ」「博美です」など名前をあまり使わない、この日本語の特性が”オレオレ詐欺”の温床のひとつになっているのではないかと考えたのです。

日本で広がったことにつながってるかもしれないということで、研究し、論文を作成することになりました。

日本人の大学生345人に家族に電話した時に名乗るかどうかのアンケートをとったところ、いつも一人称や一人称が多いが男性60%、女性37%で、

家族に電話した時に名乗るかどうかの統計

出典:NHK

特に男性は下の名前を名乗らない傾向があることがわかったのです。

海外にはオレオレ詐欺はないの?

アメリカでは”Grandparent Scam(祖父母詐欺)”と呼ばれる詐欺があります。

しかし、そういったアメリカの詐欺は、SNSを使って名前と本人が旅行中などで不在など下調べをした上で電話や事に移すのです。

英語の文化としては名乗りますので、こういった詐欺の場合も電話の場合でも名乗る場合が多く、下調べにしなくてもすむ日本の”オレオレ詐欺”とは異なる詐欺と言えます。

日本では本名=魂だった

先生が調べていくうちに、日本人は家族以外に本名を隠す伝統があったことがわかりました。

本名は霊的人格、つまり魂と深く結びついているので、本名を知ればその人を支配できると信じられていたのです。

昔は本名を名乗らなかったことを示す代表的な歴史的な人物の例があります。

西郷隆盛の色々な呼び名

出典:NHK

西郷隆盛の呼び名は西郷小吉、西郷吉之介、西郷善兵衛、西郷吉兵衛、西郷三助、菊池源吾、大島三右衛門、大島吉之助、西郷吉之助と多くありましたが、どれひとつ本名ではありません。

しかも、ある時まで西郷隆盛は本名は隆盛ではなかったのです。隆盛は父の名前で、本名は隆永、西郷隆永でした。

西郷隆永が本名であるの証拠

出典:NHK

明治2年(1869年)、明治政府樹立に貢献した西郷隆盛は明治天皇から位階を授かることになり、西郷の本名が必要になります。

しかし、西郷本人が函館遠征中で連絡がつかなかった為、西郷の友人吉井友実に西郷の本名を聞きに行った。

吉井は西郷を通称の”吉之助”と呼んでいた為、本名をなかなか思い出せなかったが、やっと思い出した”隆盛”という名前を伝え、明治政府は”西郷隆盛”で書類を作成。

ところが、”隆盛”という名前は実は西郷の父親の名前、西郷は日本語に原因は帰京後、この間違いを訂正せず、以後、父親の名前”隆盛”を名乗り、戸籍にも”隆盛”と登録され、西郷隆盛となったのです。

そうです、その明治の戸籍法で戸籍に氏名を登録しなくていけなくなったのです。

呼び名の習慣を変えるきっかけとはなりましたが、大高先生は今でも電話で下の名前を言わないのは家族以外に本名を隠すという影響が残っているからと考えたのです。

制度が変わっても、精神文化はそう簡単には変わらないので、社会で下の名前を使わないことが

電話で家族に名乗らないのは?

「しかし、家族では名乗ってもいいのに電話でななのらないのか?」という淳さんからの疑問が。

淳さんと千秋さん

出典:NHK

しかし、先生は「一人称が内向きと外向きとあり、多彩な為」と。

日本語の多彩な一人称

出典:NHK

“オレ”は単に一人称を表現するだけではなく”内側の人”と相手に魔法をかける表現を利用した”オレオレ詐欺”はホントに巧妙なやり口ですね。

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最後に

そう言えば、俺のイタリアン、俺のフレンチなどの”俺”も”内側の人”と魔法をかける表現で人気を博した要因のひとつなのかもしれませんね。きっと、そうですね。

大高先生の淳さんへの回答に追加したいことがあります。

わたしは日本人が電話で家族に名乗らないのは周りに人が居る可能性があるから一人称を使うのではないかなと。。。

電話の相手が他人だと自分が誰か伝わらないから名乗るけど、家族には声色や話し方でわかるでしょうという甘えからではないかと思います

当然、日本人は家族以外に本名を隠す伝統の影響が残っているということが前提ですが。

そう考えると、”オレオレ詐欺”対策は受け手側(親など)が気を付けてやるだけではなく、掛けて側(子など)が普段から、人前での電話でも名乗ることを当たり前にするのがいいと思うのですが。

しかし、還付金詐欺など、無差別に、さらに手口もますます多彩、巧妙になってきてますから、悔しいですがテレビでもあるように普段から電話でなんでも話しとくことが一番の対策なのかもしれませんね。

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CY

1970年長崎県五島生まれ 現在、家族は妻、息子の2人 品川区在住、品川区勤務 好きな作家:池井戸潤、伊坂幸太郎、真山仁 好きなドラマ:救命病棟24時、医龍 好きな映画:グローリー 好きな女優:石田ゆり子、イングリッド・バーグマン 好きなスニーカーメーカー:PATRICK