THE NORTH FACE「MOON PARKA」発表!クモの糸の開発からはじめたSpiberが人工タンパク質素材の商品化。

MOON PARK

2019年8月29日、THE NORTH FACEが新時代への第一歩を踏み出せるジャケット「MOON PARKA(ムーン・パーカ)」を正式発表しました。

発表されてるのは2019年7月28日、8月3日の「この国の行く末2」に出演されていたSpiber(スパイバー)株式会社取締役兼代表執行役の関山和秀さん。

Spiber(スパイバー)という社名はSpider(クモ)と Fiber(繊維)を重ね合わせた造語で、関山さんは大学の時から仲間とクモの糸を研究して、2007年に人工合成したクモ糸を作ることに成功した方です。

そのSpiberは山形県鶴岡市に拠点を置くスタートアップで、2015年にゴールドウインと“クモノス”の商品化に向けた共同開発を開始し、コラボレーションブランド「ザ・ノース・フェイス エスピードット(THE NORTH FACE SP.)」を立ち上げし、4年かけてやっと発表に。

「この国の行く末2」での関山さんと北尾さんとの対談で、4年かかった理由もそうですが、Spiberという会社のすばらしさが伝わってきますので、紹介します。
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世界的に意義のあるビジネスを展開するSpiber株式会社

人工タンパク質を作ること

2000年代から、生物学のデータをコンピュータで解析する研究分野バイオインフオマティクス(生命情報科学)を含む遺伝子工学やコンピューターサイエンスやが成熟しはじめた時に、ちょうど研究開発ができ、一番乗りができ、ラッキーだったと関山さん。

クモの糸は世界で最も強靭な材料と昔から言われていて、例えば重さ当たりの強靭さは防弾チョッキに使われる糸(アラミド繊維)の7~8倍高いとされてきたが、人工的に作ることができなかったのです。

米軍もNASAも断念した「夢の繊維」だったのです。

クモの糸はタンパク質でできているので、どういうアミノ酸で、どういう順番でつながってるかの設計図がクモのDNAの中に書き込まれていますので、その設計図を解読して、DNAを微生物に組み込んで、Spiberでは微生物にクモの糸のタンパク質を作らせることを行ってます。

多種の微生物からマッチする微生物を選別し、育種させるのですが、コンピューターの中で進化を計算し、加速させて、人間が製品に使うために最適化された遺伝子や微生物を進化させていくプロセスを実験室で行っているのです。

こうやって、生物の制約を超えてタンパク質を進化させていけてるのです。1~2億年かかる進化を1年、1年以内で。

微生物を使う大きな理由は沿い増殖が早くエネルギー効率が高い(20~30分で倍に増殖)からです。例えばカシミヤセーターを作るとして100~200gしかとれないカシミヤヤギ1頭を1年かけて育てても、セーター1枚分に満たないのですが、今のSpiberではお風呂桶1杯分の微生物の培養液から1時間にセーター1枚分くらいの効率のいい生産性で材料を作り出してるそうです。

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再資源化可能な人工タンパク質素材

微生物で作るものは環境に優しいものなのです。
たんぱく質なので、極論「食べられる」と関山さん。

Spiberの人工タンパク質は構造たんぱく質(骨、皮膚、髪なども)。繊維だけでなく樹脂、ナノファイバー、ゲルなど様々な形に加工できます。

アミノ酸のつながり方の違いで様々なモノになる

出典:BSフジ

強靭で軽いタンパク質素材はアパレル商品以外にも応用が考えられています。

その一つが、自動車部品メーカーとSpiberは共同で自動車ドアの開発を進めています。

自動車のドアは今までずっと鉄、衝撃吸収性が求められてていたのですが、樹脂では割れてしまうのでドアにはできなかったのです。

炭素繊維に人工タンパク質を混合させることで、衝撃吸収性に優れた素材のドアを開発し、自動車メーカーに提案中なのです。

また、自動車は1%軽量化で1%燃費が向上すると言われてます。この素材は鉄よりも軽く、ドアの重さが3分の1ぐらいになるので、大幅に燃費も向上するので、地球規模で採用されていけば、ものすごい省エネにつながります。

欧米ではアパレルや自動車などで動物を使いたくないユーザーがかなり増えてきていますが、代替の素材を石油にするとマイクロプラスチックの問題が起きます。

Spiberの人工タンパク質素材は環境問題の解決につなげることができるので、利用していただきたいのですと。

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最後に

2016年以降、2019年6月に商品化を発表するまで、Spiberは素材が縮むなどメーカーの求める品質レベルに達してなかったり、高コストで一般販売には高すぎる問題があり、新しいタンパク質素材の開発、低コスト化・量産化技術の構築に全精力を注いでたのです。

クモの糸を模倣するだけでは産業化は難しいということで、様々な機能を満たした上で動物やプラスチックを使わない素材の開発をこの2、3年間で担保できるようにシフトしてきたのです。

Spiberのライバル企業はアメリカBolt ThreadsとドイツのAMSilkですが、生産規模や性能では負けていないと。

今回の「この国の行く末2」関山さんの話で、北尾さんが結構楽しそうに、今までで一番笑ってたと思いました。

クモの糸の人工的に量産するだけでなく、途中で数年かけて開発、低コスト化・量産化技術の構築に全精力を注いだり、世代を超えて日本の技術力を活かす開発の場があったりと、こんなすばらしい会社あるということがわかって、感動しました。

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CY

1970年長崎県五島生まれ 現在、家族は妻、息子の2人 品川区在住、品川区勤務 好きな作家:池井戸潤、伊坂幸太郎、真山仁 好きなドラマ:救命病棟24時、医龍 好きな映画:グローリー 好きな女優:石田ゆり子、イングリッド・バーグマン 好きなスニーカーメーカー:PATRICK