2019年9月26日(木)にNHK BS「コズミック フロント☆ネクスト」では”エイリアン・ワールド 生命の惑星を探し出せ!”というテーマの話でした。
34年前、1995年10月6日、太陽系の外にある惑星の存在が初めて科学的な観測で確認されたのですが、その大発見をされたのが今年、昨日(2019年10月8日)ノーベル物理学賞を米プリンストン大のジェームズ・ピーブルス名誉教授、ディディエ・ケロー教授ともに受賞した、スイス・ジュネーブ大のミシェル・マイヨール名誉教授です。
そして、ケプラー宇宙望遠鏡を経て、2018年4月18日、NASAのケネディ宇宙センターから系外惑星探査衛星TESSが打ち上げられました。丸2年をかけて天空のあらゆる方角を観測し、太陽系の外に生命の新天地を探すためにです。
現在までで、TESSは1,000個もの惑星候補のデータを送ってきています。
今回、今に至る34年の間に系外惑星がなぜこんなにも探しだせるようになったこととその惑星に水の存在の可能性があり、生命が存在するかもしれないという話が番組内でありましたので、紹介します。
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目次
34年間の進歩で太陽系外で生命の惑星候補が次々と
トランジット法で
ハビタブル・ゾーンにある地球サイズの惑星を探す
生命を育むためには惑星に液体の水が必要と考えられています。
そのためには、恒星から程よい距離にあることと地球サイズの適度な大きさであることが条件です。
水は恒星に近すぎると蒸発し、遠すぎると凍ってしまうからです。適度な距離の領域をハビタブルゾーンといいます。
火星はハビタブルゾーンにある惑星なのですが、火星は地球の半分程の大きさのため、重力が小さく、大気を保持することができなかったので、かつてあった液体の水が蒸発してしまい、不毛の大地が広がってるのです。生命体は存在しえないのです。
トランジット法
この2つの条件を満たす惑星を探すために、惑星が恒星の前を横切る陰を観測する方法が考えられました。
トランジット法を使えば惑星の大きさと恒星からの距離がわかります。が、大きなリスクが2つあり、難しいと考えられてました。
そんな中、最初の転機が訪れました。
2009年3月に打ち上げたケプラー宇宙望遠鏡の打ち上げによって、観測、燃料切れになる2018年10月までにトランジット法を使って2600個を超える系外惑星を発見しました。
トランジット法を使って系外惑星をみつけられるということが実証されたということです。
しかし、課題も。発見された多くの惑星が海王星サイズのガス惑星だったのです。探していた地球サイズの岩石惑星は多くはありませんでした。
ハビタブルゾーンで地球サイズの系外惑星を探すことは難しいと感じざるを得ませんでした。
さらに、致命的な障害が発生しました。ケプラー宇宙望遠鏡の機体の姿勢が制御不能になってしまったのです。天の川近くの星の多い一帯を観測することをあきらめ、明るい星の少ない領域を観測せざるを得なくなりました。
しかし、この障害が思わぬ発見につながったのです。
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赤色矮星の周りに多く存在
2016年、ケプラーが観測していた赤色矮星の周りに地球とほぼ同じサイズの惑星が一度に4つも見つかったのです。
赤色矮星は太陽と比べると5分の1も小さく、表面温度は2000℃以上も低い星です。
これまで、生命の存在する惑星は太陽に似た星の周りをまわってると考えられていたので、小さな赤色矮星は観測の対象にすらされてこなかったのです。
さらに、2017年、みずがめ座の方角、地球から40光年の距離にある赤色矮星トラピスト1の周りに地球サイズの惑星が7つもまわってたことを発見しました。その内の3つはハビタブルゾーンにありました。
赤色矮星の温度が極めて低いため、ハビタブルゾーンに惑星が一気に3つも見つかったのです。
恒星のすぐ近くを通ってるため見つけやすいのです。
そして、太陽では灼熱になる距離でも赤色矮星では水が存在できるのです。
天の川銀河の4つに3つは赤色矮星なのです。
ということは、生命の惑星が見つかる可能性が一気に高まりました。
そして、系外惑星探査衛星TESSの打ち上げられることになりました。
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系外惑星探査衛星TESSにより
系外惑星探査衛星TESSの高観測能力
TESSはこれまで打ち上げられた宇宙望遠鏡の中で最も視野が広く、搭載されている4つの高性能カメラで1回で天空の5%の範囲を観測することができます。
明るい恒星から暗い赤色矮星まで同時にとらえることができます。撮影できる明るさの幅は肉眼の1000倍あるのです。
2018年8月にTESSが初めて観測した画像では山羊座の方角に280万もの赤色矮星が写っていたのです。
専用プログラムで画像解析し、生命の惑星候補が次々と
TESSの画像データから専用のプログラムで解析すると、明るさがわずかに変化する星が見つかりました。
地球から49光年にある赤色矮星のLHS3844です。
赤色矮星を11時間周期で周ってる惑星でした。
毎月TESSから送られてくる新たな画像を解析しており、惑星の候補は次々に見つかっています。12ヶ月の観測で1000個でした。
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最後に
34年の間に生命惑星を探し出す目的のためにここまで来てますが、そこまで行けるようになるのにはどのくらいの年月がかかるのでしょうか?
その時、人類は地球に存在してるのでしょうか?
地球温暖化問題の解決がんなされないと、厳しいのではと感じざるを得ません。
ところで、YouTubeでTESSミッションの動画を見つけましたので、興味のある方は見てみてください。
また、”エイリアン・ワールド 生命の惑星を探し出せ!”の番組の後半には、潮汐ロック惑星でも気候シミュレーションをもって、生命にちょうどいい場所があり、存在できるというNASAの研究者の話もありました。惑星単位でなく惑星内に生命の可能性があることを見逃さないようにしないと、ということでしょう。
確かに。そうするともっと生命の存在する惑星が存在する可能性は高まりますね。
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