2019年11月17日(日)「ダーウィンが来た!」は”足元で合戦!サムライアリ”
この番組をみるまでは、サムライアリはオオスズメバチがミツバチなどの巣を力づくで攻撃するように、多くのクロヤマアリを殺して繭を奪っていると想像していました。
実は全て力づくというわけではなかったので、少しホッとしました。
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サムライアリの生存戦略
サムライアリの巣の中の様子
1.サムライアリがクロヤマアリの繭を巣の中に運び込んだのですが、その繭を育てるのはクロヤマアリなのです。
2.サムライアリの女王の世話をするのは全てクロヤマアリで、口移しで女王にエサを与えたりします。
3.サムライアリは通常体を休めています。で、食事はクロヤマアリにおねだりして与えてもらうのです。
サムライアリはクロヤマアリを召し使いのように扱ってましたが、なぜこんなことができるのでしょう?
奪ってきた繭のクロヤマアリはサムライアリの巣の中で成虫になるので、自分の巣だと疑いもせず働き続けるというわけです。
自然の巣で調べたところ、サムライアリの巣のアリの8割がクロヤマアリでした。
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世界初、サムライアリにクロヤマアリの繭(まゆ)を強奪させた実験!
サムライアリはどうやってクロヤマアリの繭を奪ってくるのでしょうか?
そこで、「ダーウィンが来た!」で世界初撮影の大実験をしました。
サムライアリがクロヤマアリを襲撃している間に何がおきているかを探り、わかりました。
クロヤマアリの人口巣とサムライアリの人口巣をつなげることで、サムライアリが襲撃を開始!
サムライアリ1匹ずつクロヤマアリの巣の中に。何匹ものクロヤマアリがそのサムライアリの手足を引っ張って、奥の繭のある部屋に行くことを阻止します。
その隙に別のサムライアリがすり抜けて奥の繭の目の前まで。が、やはりクロヤマアリに前後で囲まれました。
そこで、おかしなことがおこりました。
後ろのクロヤマアリが、前にいたクロヤマアリを攻撃し始めたのです。同士討ちをし始めたのです。
しかも、あちらこちらで。
その隙にサムライアリが繭を奪って、持ちだしていきました。
なぜ?同士討ちを?
サムライアリはフェロモンみたいなプロパガンダ物質を出して、クロヤマアリを混乱させたのです。
混乱させて、繭は奪いましたが、実は、サムライアリはクロヤマアリを殺してはないのです。相手を傷つける素振りさえ全くなかったのです。
京都工芸繊維大学秋野教授、実際にサムライアリに襲われたクロヤマアリの巣を眺めても、そんなに巣の外に死体が捨てられていることはないそうです。
子育てを担う働きアリのダメージが少なければ、襲撃の後クロヤマアリは子育てをスムーズに再開できるのです。
襲撃先の巣の選び方でもサムライアリが殺生を避けていることがわかります。
サムライアリの襲撃は1年に約40回ですが、あちこちの巣を代わる代わる襲っているのです。ということは、一つ一つの巣の被害は分散されており、少なくて済むので、クロヤマアリの巣の回復は早くできるのです。
サムライアリ自身、クロヤマアリがいないと生きていけないからなのです。
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最後に
サムライアリの女王がクロヤマアリの巣ごと強奪の映像もありました。
サムライアリの女王は中に忍び込み、ヤマアリの女王を殺して、死んだ女王の体液を浴び、そのニオイで正体がばれることなく、クロヤマアリの巣を乗っ取るということを聞いていたのですが、この映像ではクロヤマアリの女王を殺さないで、働く役割のクロヤマアリを召し使いにしていたのです。
確かに、クロヤマアリの女王を殺すことで、クロヤマアリの繭が減ると、サムライアリの生存にも影響しますもんね。
サムライアリはクロヤマアリと共存することが生存戦力ということが非常にわかりやすい放送で、よかったです。
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