2019年9月30日(月)、BS1スペシャル「中国ネットアイドル~巨大市場を動かす女性たち~」、NHK BSで放送されてました。
中国では“ワンホン”と呼ばれる素人ネットアイドルが人気を集めています。
そのワンホンの人数は350万人。SNSを通じ、歌やファッションなどのコンテンツを総計6億人のフォロワーに配信してます。
今、中国ではその影響力に目を付けた企業がワンホンを使い、世界最大128兆円のネット通販市場を動かし始めおり、年収15億円のワンホンまで登場しました。
今回の放送では、年収15億円のスーパーワンホン張大奕(ジャン・
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目次
中国のワンホン(網紅)と企業
スーパーワンホン 張大奕(ジャン・ ダーイー)
中国はネットショッピング市場規模は世界でダントツ1位の128兆円です。その4分の1、およそ32兆円はワンホンの影響を受けた消費という分析がされているのです。
まずはスーパーワンホン張大奕(ジャン・
YouTube動画がありました↑↑↑ので、よろしければ。
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350万人のワンホンのうちの4人
大学生ワンホン、辛猿児(シンハオ) 19歳
シンハオは身近な”学校の美少女と”してフォロワー数は280万人、昨年は10社ほどからステマの仕事を受け、年収2,550万円.。
学生生活を紹介する自分の動画に広告をいれることで収入を得てます。
日常生活の紹介の中に、見ている人に気づかれないように広告を入れるステルスマーケティング、いわゆる”ステマ”というやり方で。
SNSにアップする内容のうち3割から4割がステマです。
最近は、シンハオの人気を知った海外の有名ブランドオファーも来るように。
マネジメント会社ルアンでは大学生ワンホンのシンハオのフォロワー数が伸び悩んでいることがあり、シンハオを招き戦略会議が行われました。
フォロワーの7割が男性なので、女性のフォロワーを増やすために大人の女性にイメージをかえないかとルアンからシンハオに提案がありました。
お互いの意見の攻防が。
ルアン側はシンハオのキャラクターを顧客企業のニーズに近づけて、広告収入につなげたいのです。
シンハオは、フォロワーが興味を持ってくれなくなり、離れていくのが怖いともあり、今まで通り学生生活をみせていきたいが、ルアン側の考えもわかると。
結局、大人の女性にイメージにするための撮影をシンハオは受け入れました。
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生放送ワンホン 趙千万(チョウセンマン)
彼女は1年半前からワンホンとして専用アプリを使い自宅から生放送を配信する活動しています。
この専用アプリではゲームやアウトドア、グルメなど様々なカテゴリーに分かれ650万人が活動しています。
千万は顔レベル(顔面偏差値)のカテゴリーで美顔アプリを使って、中国のヒット曲歌を配信します。
「生放送は顔が大事」と。放送中の千万は美白、美顔になってますね。
14,000人の固定ファンがおり、ファンが電子マネーを使い千万に電子プレゼントをします。
多い時は一晩で15~6万の収入になることもありますが、当日は4万円でした。(それでもすごいですが)
生放送ワンホンなら普通だそうです。
しかし、市場のニーズや見えにくい制約、様々なものに縛られたワンホンの世界で、彼女たちはどんな思いを抱えて発信しつづけてるのでしょう?
「生放送では昔の話はしません」「みんな生放送を娯楽としてみています」「癒されたいのです」「だから暗い話はしません」「私は生放送で才能や努力を評価してもらってます、申し分でしょ?」
彼女には1曲だけオリジナルの曲があります。曲名は「二面性」
「主人公は心を閉ざし、他人から理解してもらいたいけど、本当の気持ちを知られたら嫌われると心配しています」と。
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ロリータファッション 听怡(シンギ)
ルアンでは今年4月からワンホンを0から育てる新人養成プロジェクトを立ち上げ、様々な市場で稼ぐワンホンをつくろうと。
前例のない難しい挑戦ですが、その中でロリータファッションワンホンとして、この4月に入社したばかりのルアンの事務スタッフ听怡(シンギ)が抜擢されました。
ロリータファッションはアイテム数が多く、そろえるのにお金がかかるので、中国のロリータファッションの将来の市場規模は5兆円とも言われているので、広告塔としてのワンホンを養成する方向です。
第一目標は有名ブランドとのタイアップを目指しフォロワー獲得、第二目標はロリータアイテムのステマということ。
听怡(シンギ)はロリータについては何もしらないのですが、ドラマ仕立てのコンテンツを作ることに。
6月時点でフォロワーは61人。3ヶ月以内20万のノルマが課せられたのですが、大丈夫でしょうか?
8月、フォロワーは88,000万人になってました。ここ数日、恋愛をコンセプトに添えたことで、1日1万人ずつ増え続けてきたのです。
中国では検閲で海外からのロリータ情報が今まであまり入ってこなかった反動で、ブームになってきているのも。
上記動画の後半はルアンのCEOがタイアップ広告の営業で年商3,400億円の大企業恒安国際グループに。紙タオルのセール広告の話がきまりました。
愛神ロリータ、听怡(シンギ)のフォロワーは25万人を突破、本格的な広告の仕事がはじまりました。
听怡(シンギ)、自宅ではロリータを思わせない雰囲気。
「ロリータは会社が決めたキャラクターです」「だから、偽りのロリータといわれることを心配しています」「現実ではロリータになれません」と。
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三井(サンジン)23歳
ルアンでは新たなワンホンをリサーチして、スカウトしています。
三井(サンジン)のファッションスタイルは個性的でコンセプトも明確ということで、評価していました。
訪れたところ、彼女の趣味はハンドメイドのアクセサリー作りで、SNSのフォロワーにプレゼントするのが彼女の楽しみです。
広告収入はないので、アルバイトで生計をたてているそうです。
スタジオはベランダで手作りしたもの、自分の好きなことを好きなだけやれる自由があり、誰からも演出の指図をうけることはありませんでいした。
イメージはキュートな都会の女性としてコンテンツを配信しています。
さみしがり屋だけど、飼い犬のキューちゃんがいてくれるからと。
自分の人生を切り開きたいと、都会で一人暮らしを。
三井(サンジン)はルアンのスカウトに応じ、マネジメント契約を結ぶことに。
そこには制限事項が。
SNS上の発言はルアンに必ず確認しないといけないということや公衆の良俗に反する内容や政治的な発言は避けてくださいということなど。
三井(サンジン)をまもることでもあるということで。
三井(サンジン)は”田舎から来た美少女”のキャラクターとして日常をドラマ仕立てで紹介し、フォロワーが憧れるキャラを作りたいということで、市場のニーズに合わせて自分のキャラクターを変えていかなければならなくなりました。
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最後に
ネットが普及している一方、政府の監視が厳しい中国では、2018年、生放送中に国歌を侮辱したということやアヘン戦争や南京大虐殺などをお笑いのネタにしたということで、ワンホンが拘束されることがありました。
政府はワンホンが一千を踏み越える過ちを犯したということ。
ルアンではどんな立場であっても時事ネタを利用してアクセスを稼ぐことは暗黙のルールで禁止しており、”何をやるかより何をやらないか”を重視し、セーフティーラインを常に意識し、”負の側面”を持つものは絶対にアップしないということです。
市場のニーズと政府の監視の間で企業のマネジメントを受けながら活動しなくてはならないワンホンですが、自分の自由を売って、視聴者を癒すコマということなのかもしれませんね。
しかし、結局のところ、大なり小なり誰でももそうだと思いますが。
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