高度経済成長の遺産、首都高をリボーン、メンテナンスして延命。実は新しいモノを作ればハッピーという時代のツケを返す闘いは多々!

首都高速道路

2020年2月29日(土)に放送された「東京リボーンの第4集は”巨大インフラ 百年残す闘い”である首都高と東京タワーという高度経済成長期の遺産、インフラの老朽化を食い止めるためにギリギリのところで体を張っている人々の闘いについて放送されていました。

補強していなかったら首都高は破壊する

出典:NHK

1964年の東京オリンピックに間に合わせるために作られた首都高は、現在全長320km、76%が空中に作られています。

首都高の損傷は1年で4万か所

出典:NHK

作られたときは類を見ないスケールと技術力で世界を驚かせた首都高でしたが、半世紀経った今では、実は年間の損傷が4万ヶ所もあるのです。

今だからこそ、1日100万台の交通量があり、塩害もあるので、半世紀もたてばそれくらいの損傷はあるかもと思うのですが、作ったころは道路は劣化することはないという安全神話があり、国による道路橋の設計の指針には長年の使用に伴う影響を考える必要はないと明記されていたのです。

阪神淡路大震災時の阪神高速の姿

出典:NHK

しかし、この安全神話が1995年1月の阪神淡路大震災によって崩されたのです。

その後、2002年からメンテナンス革命が起き、日々補修とメンテナンスを行っているが、いつ起きてもおかしくない巨大地震に間に合うのか⁉

ただ、間に合おうと、間に合わあなくても、今回の「東京リボーン」を見ていただいて、首都高の修復は最善を尽くしてやられてることを理解していただきたいと思い、記事に。
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メンテナンス革命で首都高速道路をプラス100年

首都高の劣化の現状と原因

インフラパトロールカーで路面に穴が確認された。

カメラの映像が箱崎ジャンクション近くの基地に送信され、基地で確認するとすぐに補修舞台に出動要請が。

池袋近くの合流地点で、縦横40㎝、深さ8㎝の穴で、鉄筋が露出している状態。パンクの原因などになりかねないので非常に危険です。

補修部隊がアスファルトの粉末を注ぎ込み、一気に穴をふさぎます。交通の流れを妨げないように規制は最低限で、高速で走るすぐそばでの作業。10分もたたずに補修が完了しました。

首都高ではパンクなどの故障者の数が年間1万件に上る。道路の損傷が原因の故障もあるのです。
日々30件近く発生しているのです。

事故が起こると道路に損傷を与えることも。損傷が事故を呼び、事故が損傷を呼ぶ、終わりなき悪循環が続いている。

首都高に損傷が多いのは地面にではなく空中に作られているからなのです。
1日100万台の交通量、そのうち大型車の割合が一般道の5倍も多いため、重量や振動で橋がたわみ、クラック(ひび割れ)が発生しやすいのです。

首都高が空中に作られた理由は1964年のオリンピック開催決定で、深刻な渋滞の解消のための高速道路が一刻も早く必要だったため、時間のかかる用地買収を極力さけるため、道路や川の上に建設されたからなのです。

首都高1号羽田線の塩害で最も深刻な1.9㎞の工事

首都高では大きく老朽化が深刻な5個所の大改造計画を進めています。

その中で最も早く工事をはじめたのが首都高1号羽田線です。

厳しい制約の中での工事ばかりだが、その中でも最難関の八潮連結橋。

八潮連結橋の最難関工事

出典:NHK

 

八潮連結橋の建設が最難関な理由はモノレールの線路と首都高羽田線を跨いでいるからです。

作業はモノレールの運行が終了した深夜2時間半しかできないのです。

世界最長の吊り橋である明石海峡大橋の現場監督を務めた高橋昌彦さん。巨大クレーンを巧みに操る技術は随一と言われる方。

改めてくみ上げた長さ52m、重さ350トンの橋をクレーンでつり上げ、旋回しながら一発勝負で架け替える作業になります。

2019年1月、満月の夜にかけ替えの作業開始。

作業の緊張感もあるので、この作業に関しては、下記に動画をアップしていますので、そちらをご覧ください。

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建設の時代からメンテナンスの時代になっていく

メンテナンス技術開発と技術者の必要性

首都高の高架の裏では、日々、特殊な技を身に着けた技術者が宙づりで作業を行って打音検査をおこなって、道路内部の異変を探っています。

一歩間違えばケガや死に至ることも。

首都高では大きく老朽化が深刻な5個所の大改造計画を進めていますが、当然、ほかのところでも老朽化は進んでいるからです。

全てを作り変えることはできないので、人手をかけ、わずかな損傷も見逃さず、今ある道路をいかに長生きさせるかに全力を注いでいるのです。

常設の足場を設置し、点検や補修が容易になります。そのため、6,000億円の予算を確保しメンテナンスに投じています。

技術開発も修繕の技術に注力をしていき、人材を育てていくことに目標が変わってきているということです。

メンテナンス革命の決定打は阪神淡路大震災だった

1995年に壊滅的な被害をもたらした阪神淡路大震災では阪神高速神戸線は600m以上にわたり、横倒しに倒壊したのです。巨大インフラの崩壊の事実を受け止めなくてはいけないことに。

しかし、阪神高速に接続する有料道路で地震の影響だけでは説明がつかない大きな破断があったのである。それは疲労亀裂ではないかということ。

今までの常識が覆されるくらいの衝撃の事実でした。

疲労亀裂はそれほど大きなものではなくても地震によって大破断になりかねないのである。

高架の道路橋に潜んでいた危険性が震災を機に、首都高を5年間調査したところ1,400ヶ所も疲労亀裂が見つかったのです。

首都高は急ぎ補修し、2002年首都高はその事実を公表し、道路を作ることから直し、残すことに舵を切ったのです。
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メンテナンスのために技術開発されたインフラドクター

2018年に新設されたインフラドクター部の部長に首都高の守り人とも言われる永田佳文さんが抜擢されます。

元々、永田さんは横浜ベイブリッジなど巨大な橋の設計を担う花形の部署にいたのですが、1991年にメンテナンス部門へ異動を命じられ、やりがいを見失っていました。

1994年4月、重さ7kgの排水桝のフタを固定するはずの鎖が錆びて切れていたのに放置していたため、フタが外れ、走っている車の運転席を直撃し、40代の男性が亡くなった事故でメンテナンスの重要性を思い知り、メンテナンスを一生の仕事にすることに決めたそうです。

「どんなに立派な道路を作っても小さなボルトや鎖一つでもおろそかにすれば安全は崩れ落ちるが、逆に言えばボルト一つで道路は守れる」と。

永田さんはその後、メンテナンスのために多くの発明をし、開発しています。

高架下点検用ドローン、ボルト落下防止キャップ、床版を延命する樹脂、破損しにくいゴムジョイント、遮音壁の落下防止システム、舗装にやさしい発煙筒、壊れない伸縮継手、倒れないカラーコーン、PC鋼棒突出防止工法、恒久足場、スマートハイパーロードナット、スポットリフレ工法、移動足場、水中点検用ドローン、省工程発行塗料、反射タイル、省工程塗料、溶岩を使用した遮音壁、橋梁の振動発振など

小さなメンテナンス部品に関心をはらうう人はほとんどおらず、巨大な道路建設の仕事が幅を利かせていたのですが、2002年の首都高のメンテナンス革命宣言で一変します。

インフラドクターとは首都高のメンテナンス革命の中核と位置づけられる新たなテクノロジーですが、

インフラドクター機能

出典:首都高技術開発㈱HP

インフラドクターの車には最新の技術が搭載されているのです。

赤外線レーザーを照射する装置、複数の高精度カメラを搭載しており、時速60kmで走りながら、半径100mの範囲にある構造物の位置情報を測定し、そのデータを小さな点の集まり点群に落としこみ、首都高全ての路線をデジタル空間に再現させることができるのです。

首都高をデジタル空間に再現した画像

出典:NHK

実際に現場に足を運ばなくても、現場の状況を把握できるので、メンテナンス業務の劇的な効率化につながるように。

「何でもモノを作る人はメンテナンスまで責任をずっと永遠に持ち続けるべきと思います」「作りっぱなしじゃダメですよ」と永田さん。

 

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最後に

今回の放送で初めてしったのですが、道路は劣化することはないという安全神話があったので、メンテナンスの技術者を育てることをきっとしなかったんでしょうねと思いました。

また、永田さんの「何でもモノを作る人はメンテナンスまで責任をずっと永遠に持ち続けるべきと思います」に「確かに何でもそうですね」と、非常に共感をおぼえました。

地球温暖化問題や廃プラスチック問題もそうですが、戦後、こんなことになると全く思わないで作って利益を多く得たということに対して、高度経度成長で日本を、日本人の生活を豊かにしたと自負し、老後は悠々自適にと、わがままな暮らしをされている方は、その思い込みは少し違っているかもと思ってほしいと、わたしは強く思います。

わたし自身もそうですが、働ける限り、働きつづけることが、人間の前に生き物としての本来のありかたじゃないかなと。

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CY

1970年長崎県五島生まれ 現在、家族は妻、息子の2人 品川区在住、品川区勤務 好きな作家:池井戸潤、伊坂幸太郎、真山仁 好きなドラマ:救命病棟24時、医龍 好きな映画:グローリー 好きな女優:石田ゆり子、イングリッド・バーグマン 好きなスニーカーメーカー:PATRICK