東日本大震災から10年での研究成果、”津波防災”の最前線。津波の高精度情報を早くとらえる技術!

津波による被害

2021年3月14日(日)NHK Eテレ「サイエンスZERO」は”3.11から10年、命を救うための挑戦”“津波防災””最前線”。

東日本大震災の犠牲者は1万8千人以上。そのほとんどが津波が原因で亡くなりました。
なぜ、犠牲者がこれほど増えてしまったのか?

その原因の一つが、当初津波の高さを見誤ったことだと言われます。

3.11の津波第一報

出典:NHK

地震発生3分後に出された大津波警報の第一報は、岩手県・福島県3m、宮城県で6m。

第一報をはるかに超える津波

出典:NHK

しかし、実際にはその第一報をはるかに超える津波が東北の沿岸部を襲ったのです。

宮城県南三陸町

出典:NHK

宮城県南三陸町では高さ15mを超える津波が防災庁舎を飲み込み、岩手間宮古市でも高さ10mを超える防潮堤を乗り越える17mの津波が押し寄せたのです。

10年が絶ち、地震発生から津波が沿岸に到達するまでになるべく早い時間により精度が高い津波の高さなどの情報をえられる研究開発は大きく進んだということが番組の前半で放送されていましたので紹介します。

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津波から身を守るためのこの10年の研究開発

最初の予想(津波警報)と実際が大きく異なってしまったのはどうして?

どうして3.11のの際、最初の予想(津波警報)と実際が大きく異なってしまったのでしょうか?

それは、その時の津波の予想は地震の推定情報から間接的に割り出していた為でした。

まず地震の規模、マグニチュードを推定します。ところが、地震直後には正しく推定するのは難しいのです。

ただ、津波警報はとにかく時間との勝負ですので、最初は一定の誤差があり、特に過小評価する可能性は十分にあるのです。

最初の推定はマグニチュード7.9

出典:NHK

実は、3.11の最初に推定されたマグニチュードは7.9です。実際の規模は9ですから、かなり大きな差があったのです。
というのは、日本列島に置いてあった気象庁がマグニチュードを推定する地震計が揺れがあまりにも大きくて、広域だったので全部が振り切れてしまったという問題があったからなのです。

その後、世界から地震のデータが集まってきて、より正確なマグニチュードが推定されましたが、それには50分ぐらいかかっているのです。
しかし、津波が沿岸に到達するまで30分ぐらいだったので、より正確な情報が届くのに間に合わなかったのです。

3.11の後、その時間を縮めるため色々な検討が進められて、今ではおよそ15分でより精度の高いマグニチュードの推定ができるようになりました。

それから、津波警報の情報の出し方も2013年から第一報では「巨大」、「高い」という情報を伝えて、緊急事態だからとにかく命を守る行動をとらなくてはならないという風に人を促すような情報の出し方に変わったのです。

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海底地震津波観測網(S-net、DONET)が運用中

S-net

出典:NHK

地震の揺れから規模を推定後に津波を推定する今までの間接的な方法に加えて、実際に沖合で津波を海底ケーブルに津波計でとらえて、観測に基づくより高精度な津波警報も今後は併用していくことになっています。

この海底地震津波観測網には莫大な費用と時間がかかります。
しんかい6500で海底にケーブルを這わせ、地震の観測機を設置する作業を行っているくらい深い海なのですから。その内容は「300兆円の資源が眠る“深海”の秘密を、しんかい6500がみつけた宝データを元に見てみよう!」の一部で記事にしています。

DONET

出典:NHK

この張り巡らされたS-netDONETには地震計と津波を観測する水圧計が入っています。

水圧計と津波

出典:NHK

水圧計というのは上にある水の量、水圧を測るので、津波が起きて水圧が上がると津波を検知できるということなのです。

東日本大震災の時の三陸沖65kmに沈めていた水圧計のデータ

出典:NHK

実は、10年前の大津波を捕らえていた水圧計がありました。東北大学と東京大学地震研究所が三陸沖65kmに設置していた水圧計が5mの津波が押し寄せていることをとらえていたのです。

こうしたデータを活用できればより精度の高い津波警報につながるとわかったことで、S-net、DONETなどの設置が進んだのです。

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海洋レーダーを千葉から九州まで設置する計画

海洋レーダーは電波を使って波の流れの速さを測る装置。

陸上のアンテナから海に向かって電波を飛ばし、海面で反射したものを観測。反射した電波は流れの速さで変化するのですが、その変化から速さがわかるという仕組みです。

3.11の津波をとらえてた和歌山の海洋レーダー

出典:NHK

元々、国土交通省が紀伊水道の潮流を調べるために和歌山県に設置していました。

しかし、この海洋レーダーが偶然津波をとらえていたことで、津波観測への技術開発が進んだのです。
流れの速さなどから計算すると最大70cmの津波が伝わっていたことがわかったのです。

関西大学社会安全学部高橋智幸教授はこの10年海洋レーダーで津波をいち早く観測し防災に役立てようと研究を続けてきました。

海洋レーダーの利点

出典:NHK

海洋レーダーの利点は点ではなく広い面の観測ができるところ。

千葉から九州まで海洋レーダーを設置する計画

出典:NHK

高橋さんたちの研究グループでは南海トラフを想定し、千葉から九州の沿岸に海洋レーダーを17基設置することを目指しています。

しかし、課題は普通の波と津波をどうやっていち早く見分けるかということにありました。

高橋さんと共同研究を行っている三菱電機ではその技術開発に挑んでいます。

一直線の津波

出典:NHK

津波を見分けるために注目したのが津波の形です。通常の波とは違い津波は一直線になって押し寄せます

海洋データから流れが速い部分をチェック

出典:NHK

ここでレーダーがとらえたデータから流れが速い部分を抜き出します。上記画像の赤い点が速い部分です。このままでは通常の大きな波か津波かはまだわかりません。

津波と判定

出典:NHK

そこで赤い点が直線になる部分を自動で抜き出せるようにしました。この戦場の赤い点の流速を足して一定以上になったら津波と判定するのです。

沖合50kmの1mの津波も検知できる

出典:NHK

この技術(水平線の向こう側の津波観測を海洋レーダーで実現)を使えば、陸から50km離れた沖合に現れた高さ1mの津波が検知できるのです。

50km先の津波が陸に到達するまでの時間はおよそ30分

それだけ避難の時間を稼ぐことができるのです。

避難に必要な時間を少しでも稼げるように、より遠くの津波でも検知できるような技術になるように開発を続けています。

三菱電機のHPには開発状況を「レーダーによる津波多波面検出技術」でアップしています。そこでは2025年の実用化を目指しとありますので、17基できるのはその先ということですね。

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最後に

S-netなどの海で直接観測する、一方陸から津波を観測することで、両方から挟み撃ちするようにして津波をとらえることで、津波の速度や高さをより正確に推定することできることは強みです。

防災のシステムは1つだけでは心配な面があって、多重化する。違うシステムで同時にやることで、より確実な津波の防災につなげていけることができるようになるのです。

10年前と同じ轍を踏まないように、研究してくださって、進んでいることに感動しました。

番組の後半では、私たちが避難する際の課題の最新研究について放送されていましたので、追って記事にします。

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ABOUTこの記事をかいた人

1970年長崎県五島生まれ 現在、家族は妻、息子の2人 品川区在住、品川区勤務 好きな作家:池井戸潤、伊坂幸太郎、真山仁 好きなドラマ:救命病棟24時、医龍 好きな映画:グローリー 好きな女優:石田ゆり子、イングリッド・バーグマン 好きなスニーカーメーカー:PATRICK