2020年3月4日(水)、NHK BS「英雄たちの選択」で”戦国ミステリー 斎藤道三はふたりいた!?〜下克上の真実〜”。
斎藤道三がふたりって、このようなおかしなことを言う番組じゃなかったはずと思って観ていましたが、そういうことだったのかと納得の放送。
今までは斎藤道三は1代で油売りから遂には美濃一国を手中に収めた”下克上”の象徴でしたが、最新の資料から立身出世が道三1代の所業ではなく、油売りであったのは道三の父であり、美濃の国盗りは親子2代の物語であったことが有力な説になりつつあるのです。

出典:NHK
現在放送中のNHK大河ドラマ「麒麟が来る」では明智光秀が仕える主君ですが、ドラマのような道三と光秀の2人のやり取りが本当にあったなのかは定かではありませんが、すごくおもしろいやり取りがこのドラマの見どころの一つです。
今まで語られてきた斎藤道三を覆す最新有力説についてのこの放送の内容に沿って紹介します。
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目次
斎藤道三、マムシは息子のことかもしれないが、美濃の国盗りは親子2代のことだった!
今まで語られた斎藤道三の国盗りは父親とのものだった
六角承禎書写にて
近年発見された近江国守護大名、六角氏の書状「六角承禎書写」に斎藤道三の真実が隠されていると指摘するのが一乗谷朝倉氏遺跡資料館の石川美咲さんです。
石川さんは明智光秀が越前で医者をやっていたということについても述べている方です。詳しくは「NHK大河ドラマ「麒麟がくる」主人公明智光秀は足利義昭や織田信長に仕える前は外科・産婦人科の医師だった!」をご一読ください。

出典:NHK
その永禄3年7月21日近江の六角承禎が息子の家臣たちに宛てて出した書状には、斎藤家の先祖は京都妙覚寺の僧侶で、そこから”西村”と称し、美濃の国で侍となり、その後出世し長井と名を変えたと記されてます。
斎藤義龍の祖父が新左衛門尉と記されているということは、道三の父である新左衛門尉と道三の美濃の国盗りであることが判明しました。
道三の父の国盗り
まず道三の父は京都で法華宗の僧侶をしており、寺を出た後に美濃で油を売る商人になったと。
広範囲を自由に行き来できた当時の油売りに僧侶からなった道三の父は法華宗の商人のネットワークで商売を行っていたと考えられます。

出典:NHK
そこで、交通の要所であり、豊かな穀倉地帯である濃尾平野、長良川などの河川が流れる肥沃な土地である美濃国に目をつけたのです。
そこで、美濃の守護代斎藤家に出入りするようになり、行商で得た各地の知識が重宝され、斎藤家の家臣の長井家の武士に取り立てられます。この頃西村勘九郎と改名します。
その後、戦で多くの武功を上げ、長井の姓を与えられ、長井新左衛門尉と改名します。
着々と美濃での地位を上げていったのです。

出典:NHK
そして、美濃の経済的拠点を抑え、和紙の流通を支配することによって多額の利益を得ていたと思われる。
当時、美濃で交わされた文書には長井新左衛門尉の名が多く見受けられるのです。
長井新左衛門尉から長井新九郎規秀(道三)へ
しかし、ある時を境にその名が一切見られなくなりました。

出典:NHK
天文2年に長井家から出された書状では長井新九郎規秀という名が。

出典:NHK
石川さん「この人物が後の斎藤道三であり、長井新左衛門尉の息子です。
天文2年前後に道三の父は病死したと考えられます。
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斎藤道三の暗躍
常在寺に残る斎藤道三の肖像画
道三が出家し、”道三”と名乗った常在寺に残る肖像画は描かれた時期も全くわかっておらず、描いた絵師も、何もわかってないのですが、

出典:NHK
寄進は北の方(斎藤道三の娘)、信長の正室だということは文書の中にでてきますので、そこは確かと言うことです。
斎藤道三の暗躍

出典:NHK
六角氏の書状には「斎藤道三は惣領を討ち殺し、諸職を奪い取り」と記されており、長井家の当主を殺害し、自らが惣領を奪い家を乗っ取ったということです。

出典:NHK
さらに土岐頼芸と結託し、家督争いをしていた土岐頼純を追放し、頼芸を美濃の守護へと押し上げます。道三は頼芸から守護代の斎藤の姓を使う承認を得て、斎藤利政と名を変えました。

出典:NHK
父の死からわずか4年程で道三は美濃の守護代、No,2 に地位にまで昇りつめたのです。

出典:NHK
油売りから斎藤家の名を名乗るまでは親子2代で成し遂げたということになるのでしょう。
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最後に
2020年5月10日の「麒麟が来る」は”長良川の対決”です。
斎藤道三は5倍の斎藤高政(義龍)軍勢に戦いを挑みます。
今回の配役本木雅弘さんが演じた斎藤道三はすごくカッコよく魅力的でしたので、歴女の方々をはじめとして”道三ロス”と言うネットニュースになるでしょう。

出典:NHK
ということは、道三は討ち死にということですが。
YouTubeの【戦国大河】戦国談義で、斎藤道三と斎藤義龍の最新説を非常にわかりやすく説明されてました。
ご参考までに。
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