2019年3月21日(木)NHK Eテレ「ろんぶ~ん」で、テーマ”謝罪”でもう一つ論文を紹介してました。
この論文の著者は中国人の李竺楠さん。
ある日本人の方が「中国人は謝らない」という一言、中国のエアラインが何時間も遅れたのにスタッフがお詫びもしなかったと言っていたことをきいた中国人の李さんは「ちゃんと謝ってるじゃない」と思ったことをきっかけで論文を書くことに。
まずは日本と中国では謝罪するかどうかの基準やその謝罪の仕方が違ってるのではないかということで、をテレビの都会を舞台にしたホームドラマで比較調査することに。
分析及び結論付けられた内容について紹介します。
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中国人と日本人では謝罪の戦略が違う
ホームドラマを分析
ドラマの全会話シーン(場面)を抽出し、家族の会話シーンを数え、さらにその中から謝罪のシーンの数と%を調べました。
中国は6.1%、日本は16.8%という数字から、日本の方が謝罪のシーンが多いという調査結果。
家族というコミュニティ内でも謝らなくてはいけないことが多くあることがわかりました。
李さん「日本人はちょっとしたことでも謝るが、中国の場合では親しい関係だと許容範囲が広いので謝らなくても大丈夫」と。
職場ドラマ・医療ドラマを分析
では、仕事現場ではどうなっているかとなります。
李さんは職場ドラマ・医療ドラマの全会話シーンを抽出し、さらにその中から謝罪のシーンの数と%を調べました。
中国は7.0%、日本は13.8%。放送時間で言うと中国は20分に1回、日本は7分に1回謝っていることになります。
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分析結果からの結論
謝罪には主に下記画像のような10の戦略があり、
踏まえて中国と日本のあるドラマの謝罪のシーンをご覧ください。
中国ドラマの謝罪のシーン
日本ドラマの謝罪のシーン
両方の謝罪戦略の差がわかりましたよね。
日中のホームドラマの謝罪シーンのうち複数の謝罪を組み合わせた謝罪のシーンを抽出してみると、
中国は89%、日本は43%。中国の謝罪の方が戦略が多彩、あの手この手で相手の怒りを鎮めようと動いているということがわかります。
李さん「中国では色んな手を打つと相手に許される可能性も高くなるのです。」
中国の多彩な謝罪戦略がよくわかるシーンです。
戦略が5種類も。
では、中国と日本のそれぞれ一番多い謝罪戦略シーンは中国では責任承認の68%で日本では明確な謝罪表明の71%でした。
李さん「日本人の場合は多くを語らない」「語れば語るほど言い訳に聞こえるからじゃ」と。
ちなみに、職場ドラマ・医療ドラマでの明確な謝罪表明のシーンは日本では97%、中国では47%。
一方、責任承認のシーンは中国では38%、日本では39%。
中国では職場や医療現場で責任承認していまうと責任を負うことになるので、補償の申し出や今後の意向表明という戦略で謝罪することが多いのです。
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最後に
李さん、最後に「日本人は明確な謝罪表明を大事にし、中国人は謝罪戦略の組み合わせを重要視します」「このような中国人を日本人からみて謝らないと感じられるのではないのでしょうか」ということです。
おもしろいですね、同様に日本と韓国及び中国とアメリカの謝罪の基準を同じように分析するとおもしろいかもしれませんね。
考えたのですが、日本人は普段謝られ慣れてるから、当たり前になって明確な謝罪表明に不寛容になりすぎてるのかもしれませんよね。
しかし、「ろんぶ~ん」の最終回は一粒で2度おいしい終わり方でした。
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