アウン・サン・スーチーへのミャンマー軍部クーデターの下地は2017年から整えてた!が。

スーチー側近の政府法律顧問が射殺

20201年2月、ミャンマー与党・国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スーチー国家顧問が国軍に拘束されました。

アウンサンスーチー拘束

出典:NHK

昨年11月の総選挙でNLDが改選議席の8割を超す議席を得て、軍人枠が4分の1を占める連邦議会での単独過半数を制しました。しかし、軍は異論を唱え、先月1月26日に選挙での不正を主張する会見を開催。

拘束はその矢先の出来事。

2017年から軍は国際社会がアウン・サン・スーチーを非難させるような下地を整えてきて、今回のNLDの選挙圧勝で事を起こすこと(拘束)はある程度想定していたと考えられます。

ミャンマーの軍とアウン・サン・スーチー率いる国民民主連盟(NLD)の攻防について2019年12月9日放送の「BS世界のドキュメンタリー」”「ミャンマー民主化の内側で」アウンサンスーチーの真実”を見るとそのことがわかりやすいので、紹介します。

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アウン・サン・スーチーは2017年から袋小路に入り込んでいた!

アウン・サン・スーチーの側近で法律顧問が射殺

スーチー側近の政府法律顧問が射殺2

出典:NHK

2017年1月、アウン・サン・スー・チーの側近で政府の法律顧問が射殺されました。

警察は容疑者を拘束。
では、この容疑者はどうなったのか?
Newsweek日本版2019年2月17日(日)の記事で詳しく書かれていますので、よろしければ。「ミャンマー、与党法律顧問暗殺事件の犯人2人に死刑判決 真相解明を阻む軍部の存在

軍の権限を縮小することへの警鐘

出典:NHK

国営放送「コー・ニー殺害の全容は不明ですが、法の支配が確立できていないためだと多くの国民は考えています」「軍の権限を縮小することへの警鐘だという見方も」「彼の友人は政府との仕事が殺害の原因だと確信しています」と。

アウン・サン・スーチーは葬儀に参列しませんでした。
公衆の前委に出ることを避け、沈黙を通したのです。

ウィン・ティン

出典:NHK

ウィン・ティン「殺害の原因は十分に察しが付きました」「そこで彼女が何か言えば、事態はさらに悪化します」

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ミャンマー国民が憎む民族ロヒンギャがテロを起こした?起こさせた⁉

コー・ニーはイスラム教徒だった

殺されたコー・ニーに関してはもうひとつ重要な問題がありました。
彼はイスラム教徒だったのです。
ミャンマーのラカイン州には少数経派のイスラム教徒、ロヒンギャが住んでいます。
仏教徒は彼らを追い出したいと思っていました。

その理由は過去に遡ります。

1947年、アウン・サンがイギリスと戦うために様々な民族を結集させた時、一つだけイギリス側に留まったグループがいたとされています。イスラム教徒のロヒンギャです。
多数派の仏教徒は彼らを裏切り者とみなします。そして、ベンガル地方からやってきたよそ者ということでベンガル人と呼びました。

軍が国民感情を利用しロヒンギャ迫害を仕向けた⁉

国軍最高司令官のミン・アラン・フラインはロヒンギャについて以下の演説を行いました。

国軍最高司令官

出典:NHK

「我々の職務は王と秩序の執行だけではない」

「国民のアイデンティティーを守ることもだ」

ロヒンギャはこの国に属さない

出典:NHK

「我々は世界に伝えよう、ロヒンギャはこの国に属さない」「ラカイン州のイスラム教徒は他の国から来たベンガル人だ」

タン・ミン・ウー

出典:NHK

タン・ミン・ウー「ラカイン州では民族主義的な感情が高まって、いつ爆発するかも知れぬ時限爆弾のような状態になってました」「イスラム教徒と仏教徒、2つのコミュニティは互いを最大の敵とみるようになり、敵意はどんどん膨らんでいきました」
「そして2016年、イスラム教徒側に過激な変化が起きます」「非常に戦闘的な反政府活動が起きたのです」

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イスラム教徒が反政府活動を起こし、軍に絶好の機会が!

2016年10月

それはイスラム系のロヒンギャを守るという使命を掲げた集団で、武装はごく貧弱なものでした。

2017年8月

出典:NHK

2017年8月

ラカイン州で起きたロヒンギャ武装集団による地元警察への襲撃は、この国にとって歴史的な転換点となりました。

国営放送「イスラム系テロリストの破壊活動で住民が警察署い助けを求めています」「150人ほどの武装集団が、早朝、警察署などを襲撃しました」

こうした状況は、軍が問題の抜本的な解決に乗り出す絶好の機会となりました。

海外メディア「国軍はロヒンギャの武装集団に掃討作戦を開始」「イスラム教徒ロヒンギャに対する軍事行動は民族浄化作戦の様相を呈しています」「少数派への暴力が続いてます」

海外メディア「この地域は封鎖され国軍は掃討作戦を開始」「一般市民も標的になっています」

ウィン・ティン

出典:NHK

NLD報道官ウィン・ティン「軍は独自の判断で行動できます」「われわれに相談なしにやりたいことをやれるんです」

海外メディア「国連によれば、12日間で15万人近いロヒンギャの人々が仏教国ミャンマーからバングラデシュにのがれています」

民族浄化の典型例

出典:NHK

国連「まだ現状を完全に把握できていませんが、民族浄化用に見えます」

国際社会はアウン・サン・スーチーが軍の行動を非難するものと期待しましたが、それは実現しませんでした。
憲法上、彼女は軍事面に関する権限を与えられていないのです。

危機的な状況が増す中、彼女は取り急ぎ事態の深刻さを否定しました。

タウン・トゥン

出典:NHK

国家安全保障顧問タウン・トゥン「ラカイン州の状況に関する虚偽の情報が世界中に流れていることに失望しています」「人々を誤った方向へ導く目的でねつ造された情報ばかりです」

ウィン・ティン

出典:NHK

ウィン・ティン「内務省、国防省、国境省は軍の管理下にあります」「ラカイン州の問題が起きた時、軍を擁護したということで国際社会はアウン・サン・スーチーを非難しました」「しかし、彼女は長期的な見地から軍と敵対するような発言をしたくなかったんです」「だから、我々はあれを軍による罠だと言いました」

海外メディア「ノーベル平和賞受賞者アウン・サン・スーチーが取った暴力行為への対応に非難が高まっています」「山のような虚偽情報をもたらしたとしてスーチーはテロリストを非難しました」「民族浄化に対し…、複数のノーベル平和賞受賞者が十分な保護措置を講じていないミャンマーのスーチーを非難」「15万人のロヒンギャが避難。彼女は危機から目をそらしています」「発言力を行使すべきなのに何もしていない」

ウィン・ティン「おそらく、軍のトップであるミン・アラン・フライン将軍はこの状況を楽しんでいると思います」

ヤンゴンでのデモ行進

出典:NHK

国営放送「ヤンゴンで1,000人以上の市民が市庁舎へ向けてデモ行進しました」「国軍とその公平な戦いを支持する人々です」

ラウィ・ウェン

出典:NHK

ジャーナリストラウィ・ウェン「多くのミャンマー国民がロヒンギャを憎んでいます」「この件に関われば、ロヒンギャを支持していると見られてしまう」「そのため彼女はこの件に沈黙している」「選挙で票を失うことを恐れているのでしょう」

軍はロヒンギャの掃討作戦を継続。国際社会は国全体指導者であるアウン・サン・スーチーに明確な答えを求めました。

2017年9月19日

軍部は彼女が処刑台に上る様子を最前列で眺めます。

海外メディア「スーチーがロヒンギャの難民危機について語ります」「演説はテレビでも放送され彼女の考えを世界に発信されます」

アウン・サン・スーチー演説

出典:NHK

スーチー「ミャンマー政府は責任を放棄するつもりはありません」「我々は人権侵害や違法な暴力を非難します」「平和と安定、法の支配の回復に全力を注いでいます」
「ラカイン州においてイスラム教徒との調和を図るために政府は最大限の努力をしてきました」「世界中の関心はラカイン州の情勢に注がれています」「でも、皆さんには紛争地域だけでなく、わが国全体の事を考えて頂きたいのです

シトゥ・アウン・ミン

出典:NHK

ジャーナリストシトゥ・アウン・ミン「国際社会はロヒンギャを支持する言葉が出るのを期待していましたが、彼女にそんなことが言えるとは思いません」「長期的には軍部と協力し合うしかないからです」

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アウン・サン・スーチーのこの時の選択

スーチーは選択しました。

ロヒンギャや自分自身の国際的評価よりも軍との関係や政府の安定を優先させたのです。

彼女は表舞台に出ることを避けるようになり、国際社会からも国民からもとおざかりました。

その間に事態は益々悪化していきます。

海外メディア「一帯は焼き払われ、住民は全員逃げ出しました」「放火によって破壊されたとみられる土地が帯状に広がっています」「衛星画像から破壊が広範囲にわたることがわかります」「ミャンマー政府は事態を掌握できていない模様です」

2018年8月、第8333回安全保障理事会会合の暫定議題は”ミャンマー情勢”についての

会合議長「1年前にラカイン州ではじまった難民の非常事態は人道及び人権の危機として最悪のレべルです」「もうミャンマーの現実から目をそらすことはできません」

ホウ・ドー・スアン

出典:NHK

ミャンマー国連大使ホウ・ドー・スアン「テロの攻撃さえなければこの会合は違ったものになっていたでしょう」「ラカイン諮問委員会の実績評価あるいは国際的な支援を宣誓する会議となって、貧困の軽減や経済の発展を促していたかも」「2016年10月おお呼び2017年8月のテロ攻撃は平和で公正で豊かな未来へ向けた我々のひたむきな努力を全て台無しにするものでした」「しかし、目標達成に向けた我々の決意に変わりはありません」

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最後に

民主主義を勝ち取り、世界中の称賛を浴びたこの国は思いがけない袋小路に入り込んでいます。
しかし、歴史に終わりはありません。
アウン・サン・スーチーとミャンマーは今後どのような道を選ぶのでしょうか?

と、番組は終わってます。
今回のクーデターでミャンマーは10年前と同じような国際社会からの孤立することに逆戻りする可能性があります。

ちなみに、このドキュメンタリー番組の前半は「アウン・サン・スーチーにとっては軍クーデターは好都合今まで軍を無理やり排除できなかったので。」を記事にしてますのでよろしければ。

国際社会はロヒンギャ問題を解決させることも含めミャンマーの民主化への道のために軍への抗議デモを後押しするのでしょうが、大きな後押しでないと、ズルズルと…

国際社会の反応

出典:NHK

やはり、中国がネックかもしれません。

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1970年長崎県五島生まれ 現在、家族は妻、息子の2人 品川区在住、品川区勤務 好きな作家:池井戸潤、伊坂幸太郎、真山仁 好きなドラマ:救命病棟24時、医龍 好きな映画:グローリー 好きな女優:石田ゆり子、イングリッド・バーグマン 好きなスニーカーメーカー:PATRICK