2021年1月、瀬戸内海の魅力を紹介しているテレビ番組が続きました。
NHK「ブラタモリ」では
1月16日(土)に“しまなみ海道~“瀬戸内の覇者”村上海賊はなぜ生まれた?~”
(こちらは「織田信長の水軍を討ち破った村上海賊は航海の安全を保障するサービスで瀬戸内海を支配してた!」で記事にしています)、
1月23日(土)に”呉~“戦艦大和のふるさと”呉はどうできた?~”、
さらに、同日のテレビ東京「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」では”あぉ絶景”瀬戸内海”2時間半SPです!”も。
お待たせしましたっ!
今夜6時半からは✨
あぉ絶景”瀬戸内海”
2時間半スペシャルです!
ゲゲっ!慎吾ちゃん食べるの早すぎて
“充電できないってば”
ヤバイよヤバイよ✨
どうぞお疲れ様楽しみにっ!!#出川哲朗の充電させてもらえませんか #香取慎吾 #広島 #世界遺産 #厳島神社 pic.twitter.com/gkLsYgRHAC— 出川哲朗の充電させてもらえませんか? (@tvtokyo_degawa) January 23, 2021
この日本最大の内海、瀬戸内海。狭い海域に大小3,000もの島々が密集する世界一の多島海である瀬戸内海の絶景、地球史上尺度でのつい最近までは存在しなかったのです。

出典:NHK
上の画像は300万年前の日本列島の西日本です。瀬戸内海がないのです。
2020年 6月21日(日)NHKスペシャルで放送された「列島誕生 ジオ・ジャパン2」の(2)の”列島大分裂”の前半で瀬戸内海がどうして誕生したかを紹介していましたので記事にまとめます。
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目次
最新研究から瀬戸内海がどうやって誕生したか判明!
瀬戸内海は20万年前までは陸上動物の楽園だった
最新の研究によって、瀬戸内海はかつて巨大な陸上動物が闊歩する楽園だったことがわかってきました。
その研究が行われるきっかけは代々漁を営んできた漁師たちが、

出典:NHK
太古に生きていたナウマン象の牙の化石などを海の中から発見していたことによるのです。
漁師が、化石を土を掘って発掘したということではなく、網にかかってたということなんです。

出典:NHK
太古に生きていたナウマン象の化石は、東は大阪湾から西は豊後水道まで瀬戸内海100ヶ所以上で見つかっているのです。
大きな牙を持ったナウマン象は1万5千年前頃まで日本にいましたので、その化石が瀬戸内海で多く見つかっているということは、瀬戸内海が陸地だった証拠なのです。
瀬戸内海の水を全部抜いてみると下の画像のようになります。

出典:NHK
淡路島は20万年前までは標高600mの山並み、西に向かうと低い平野(播磨灘)が広がり、岡山県に入ると急に大小様々な山が立ち並ぶ独特の地形(備讃諸島)、さらに平野(隧灘)が広がって、芸予諸島で再び多くの山々があります。

出典:NHK
ここにある時海の水が流入、その結果、海上に頭を出した山が島となり、世界に都の名を轟かせる多島海が誕生したのです。
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なぜ瀬戸内海に大小様々な山が生まれ、海に沈んだのか?
瀬戸内海の誕生は日本列島が中央構造線を古傷のように持っているから

出典:NHK
その謎を解く鍵が意外にも瀬戸内海から遠く離れた四国の吉野川に隠れていました。
地質学者の長谷川修一さんが注目したのは、最近の吉野川の洪水で露出した地面の土が黒っぽいものと薄緑の2色に分かれていたことでした。

出典:NHK
実は薄緑の方は主に深い海に溜まった泥、黒い方は陸の砂や砂利で、由来が全く違うのです。

出典:NHK
この境目、宇宙からも見ることができます。

出典:NHK
四国から近畿を連なる傷のような線は九州から関東まで全長1,000Kmにも及ぶ中央構造線というものです。
実は、中央構造線が出来たのは1億年前、日本がまだ大陸の一部だったころです。
中央構造線ができるまでのイメージは下の動画でみることができます
が、かいつまんで説明すると以下のようなことです。

出典:NHK
太平洋側から強大な岩盤であるプレートが大陸に沈み込むことで、海底の砂や泥が大陸側のプレートの上に被さっていきました。

出典:NHK
そして、後の中央構造線ができたのです。
接する地層の質が異なるためくっつきが弱くずるりと滑りやすい性質があります。
この脆弱境目を古傷のように抱えたまま日本列島は大陸から切り離されました。
300万年前にある大事件が起こったことで西日本は大分裂し、その後瀬戸内海ができることになるのです。
では、その大事件とは?
その大事件についての話の前に、大事件でおもしろい地形ができているということで紹介されていました。
吉野川と土器川は昔つながっていたが今は離れているということは、

出典:NHK
吉野川はちょうど四国の中央付近で直角に曲がっています。

出典:NHK
吉野川と離れた場所にあるのは土器川です。

出典:NHK
この二つの川の岩石の解析をしたところ、これらが一本の川だったことがわかりました。
そして、この直角ポイントはちょうど中央構造線の上にあるのです。
中央構造線から南側が西側にずれていき、土器川と吉野川のずれは18Kmは300万年かけてできたものだったのです。
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300万年前の大事件はフィリピン海プレートが方向転換したこと
瀬戸内海を生むことになる300万年前の大事件とは日本の地下に潜むフィリピン海プレートが方向転換したことです。
300万年、北向きに進んでいたフィリピン海プレートは太平洋プレートにぶつかり方向転換。

出典:NHK
進む向きを北西に45度カックンとかえたのです。
四国には北西45度に圧力がかかるようになりました。やがて限界に達し、解消された場所こそ中央構造線です。
45度カックンのイメージは上の動画で見ることができます。
瀬戸内海の独特な地形が生まれたメカニズム
フィリピン海プレートの圧力がかかると中央構造線を境に南側の大地が大きくずれます。この時北側の大地も引きずられて、小さくずれます。
そして、その圧力による300万年の中央構造線のずれが瀬戸内海の独特な地形を生んだのです。
大阪湾でへこんで、淡路島でちょっと膨らんで、へこんで、また膨らんでへこむ。
大地が島のように盛り上がり山々になったというのです。
瀬戸内海誕生
およそ20万年、ついに海に沈むその時が来ます。

出典:NHK
当時、淡路島と四国は陸でつながり、北側には海抜0m以下の平野が広がっていました。

出典:NHK
今の鳴門海峡に当たるところが太平洋を塞き止めていたのです。
その後瀬戸内海が誕生するイメージ動画を番組がジオルーペで見せてくれています。下の動画でご覧になってください。
この海の底に沈んだ生き物たちの中にナウマン象がいたんです。
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最後に
吉野川と土器川がつながっていたとは驚きでしたね。

出典:NHK
タモリさんもしまなみ海道の景色を絶賛していましたし、

出典:NHK
ジオジャパンで紹介された瀬戸内海の海の幸もすばらしいです。
地球が誕生して45億年。その年月を考えるとつい一瞬前と言える20万年に絶景の瀬戸内海がどうやってできたかを私たちはNHK「ジオ・ジャパン」を見て知ることができ幸せですね。
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