2018年10月18日(木)、NHK Eテレの「ろんぶ~ん」のテーマは”アイドル”でした。
MCのロンドンブーツ淳さんが「なるほど~。いや~、深いな~。こんなにうなり上げると思わなかったから、このアイドル論で」「こうやってひも解いていったら、もっと裏に経営戦略がきちんとあって、ビジネスモデルも確立しているんですね」とうなり上げてるくらいおもしろみのある論文でしたので、ご紹介します。
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目次
論文:モーニング娘。とAKB48のビジネスシステム その生成プロセスと新奇性・競争優位性
論文の著者は京都産業大学経営学部准教授、箕輪雅美さん。
経営戦略の専門家でヒットのメカニズムを分析し、規則性をみつけだすために研究してらっしゃる方です。

出典:NHK
箕輪さんはアイドルには詳しくなく、経営学者の目線でアイドル業界を分析してみると宝の山でおもしろいということで、こちらの論文を作成したのです。
モーニング娘。
ブランド・エクイティ戦略 モーニング娘。=高級ブランド
グループ名をブランドとして一本立ちさせ資産価値を高めることに成功した初めてのアイドルグループだということです。

出典:NHK
確かにモーニング娘。までのアイドルグループをみてみるとキャンディーズはラン・スー・ミキの3人、ピンク・レディはミーとケイの2人しかありえない。グループ名とメンバーが強固に結びついてるので取り換えがきかず、そのため、誰かが抜けるとグループを維持できなかったのです。
モーニング娘。はメンバー卒業と新規加入を繰り返し、どんどん入れ替えを行なっていき、グループ名とメンバーを切り離していきました。
箕輪さん「本来、知名度と寿命は両立しない概念なんです」「モーニング娘。はですね65作連続でオリコントップ10を果たしているんですですね」「モーニング娘。は20年以上、ずっとトップアイドルの座にいるのです」
淳さん「はぁ~、ブランド化されてるんだ」
フルライン戦略 モーニング娘。=トヨタ・日産
トヨタや日産自動車といった大手自動車メーカーでは軽自動車、スポーツカー、ファミリーカー、高級車に至るまで全てのライナップを取り揃えてます。
フルライン戦略のメリットはライナップを取りそろえることで、お客様の買い替え時、今まで使っているという安心感から、同じメーカーを選んでもらえるといことです。
、ピンク・レディはミーとケイは同じ年、キャンディーズは学年は2つ違いぐらいのほぼ同年代ですが、モーニング娘。は2000年12月では最年長の中澤裕子当時27歳と最年少の加護亜依当時12歳と年齢差が実に15歳違いもありました。
淳さん「どの世代にも刺さるということですね」
野口五郎さんが「最初から(ブランド・エクイティ、フルライン)戦略を狙っていったんでしょうか?」という疑問に「経営学ではロジカル・インクリメンタリズムといい、経営戦略は企業の活動の中で徐々に作られていくという考え方があるんですが、最初からではないと思います。」修正、修正をかけながらこういった形の戦略に行きついたと箕輪さんはおっしゃってました。
また、才能を中心とした論理は応用がきかないので、プロデューサーが
AKB48
箕輪さん、”AKB48=ジャパネットたかた”と同じ経営戦略を行っているいうことを打ち出しましたが、どこに共通点が?

出典:NHK
ジャパネットたかた自社スタジオとコールセンター
ジャパネットたかたの躍進の秘密は自社内にスタジオを持ち、コールセンターも自社で運営していること。経費をかけても自社運営し、超高速PDCAサイクルを利用することで、消費者の本当に欲しい商品を見極めているということです。
PLAN:どの商品を紹介するか
DO:自社スタジオから生放送
CHECK:放送中にコールセンターの反応を見て熟れ具合を評価
ACTION:すぐ改善方法を検討し、商品によってはその日のうちに放送に生かす

出典:NHK
秋葉原のAKB48シアター
AKB48もジャパネットたかた同様、超高速PDCAサイクルを秋葉原のAKB48シアターという劇場で、ファンとの距離の近さを戦略の強みとしています。
PLAN:あるメンバーをセンターでCDを発売しよう
DO:劇場ですぐにためしてみる
CHECK:ファンからのリアクションを即座に評価
ACTION:反応次第で実際に最終的な判断を行なう

出典:NHK
ほぼ毎日公演が行われてますので、いつでもPDCAを行なうことができるのです。
箕輪さん「AKB48はファンが多数決で民主主義に作り上げたシステムファンが求める理想のアイドルを自動的に作り上げる本当にすごいシステムです」
淳さん「みつけてきて、応援するところまでパッケージできてるってことですよね」「それは、今の時代ならではシステムですよね」
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最後に
箕輪さんが「昭和のアイドルの時代には消費者が自分のほしいものは何かわかっていたのですが、AKBの時代には物やサービスがあふれてしまって、ほしいものはほぼ手に入ってしまっていますので、そういう時代に効果があるシステムというのは色んな物を少しずつ作ってみて、売れたものだけを大量生産することがこの時代に合ってるんです」
箕輪さん総括「過去を分析して成功の方程式を知ることができたら、それだけでヒット商品を作れるとは言いませんけど、少なくとも失敗の確率を下げて成功の確率を上げることはできるんじゃないかなと思います」
淳さん「アイドルのプロデュースを何度も失敗してるから、一緒にやりませんか、やらせて下さい」に対して箕輪さん「はい」と。淳さん「後で名刺を頂きに参ります」とのこと。
このお二人のプロデュースしたアイドルが世にでると考えると先々楽しみですね。
ところで、ロンドンブーツ淳さん、お父さんが桜田淳子さんの大ファンで、男の子が生まれたから”淳”という名前になったそうです。お父さんもおもしろい方ですね。
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