2020年12月6日(日)、NHK Eテレ「サイエンスZERO」では2020年のノーベル賞、医学・生理学賞、物理学賞、化学賞について解説。
2020年、今年の物理学賞は”ブラックホールの研究”で「ブラックホールが形成されることは一般相対性理論の確固たる予言であることの発見」「天の川銀河中心に巨大質量のコンパクト天体を発見」で、化学賞はゲノム編集技術の新開発”。
そして、ノーベル医学・生理学賞は”C型肝炎ウィルスの発見”です。

出典:NHK
当記事は「サイエンスZERO」のノーベル医学・生理学賞の解説と、その発見されたC型肝炎ウィルスを世界で初めて培養を成しえた日本人医学者のお話をまとめてます。
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目次
2020年ノーベル物理学賞”C型肝炎ウィルスの発見”について解説
未知のウィルスの存在を突き止めたオルター博士

出典:NHK
受賞者の1人、ハーベイ・オルター博士は輸血を受けた人に肝炎患者が多いことから、その血液を詳しく調べる研究をしていました。

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研究の結果、当時原因が判明していたA型肝炎ウィルスやB型肝炎ウィルスが原因ではない患者が多いことがわかりました。

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その後、1970年代の後半、患者の血液がチンパンジーにも肝炎を発症させることがわかり、その血液からウィルス特有の成分を発見、未知のウィルスの存在を突き止めたのです。
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ウィルスのRNAの断片からC型肝炎ウィルスを発見したホートン博士
しかし、どんなウィルスなのか、その正体はなかなか突き止められませんでした。

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DNAやRNAを分析する技術が登場。

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マイケル・ホートン博士はその技術を駆使して1989年にウィルスのRNAの断片を発見し、C型肝炎ウィルスを突き止めたのです。

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この発見により輸血血液の中にウィルスがいるか調べられるようになり、新しい感染者が激減したのです。
しかし、科学的にはまだ不十分でした。
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C型肝炎ウィルスが確かに病気を引き起こすことを証明したライス博士

出典:NHK
このウィルスが病気を引き起こすことを証明する必要がありました。

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1997年、ライス博士は遺伝子操作でウィルスの全遺伝子が入ったRNAを作成、

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それをチンパンジーの肝臓に感染させたところ肝炎を発症したのです。

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30年の研究の結果、C型肝炎ウィルスが謎の肝炎の原因だったということが突き止められたのです。
3人でバトンをつないでC型肝炎ウィルスの発見した功績が認められ、今年ノーベル医学・生理学賞の受賞となったのです。
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その後、治療薬開発に大きなブレイクスルーを成し遂げた脇田医学博士
しかしながら、ここで、直ちに特効薬が出来たり、治せるようになったかというわけではありません。
その後、実験室の中でC型肝炎ウィルスを増やすことができないと、ウィルスに対する薬を作ったり、ワクチンを作ったりということは進まないからです。

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2005年、今回のノーベル医学・生理学賞受賞者3人のバトンを受けて、人工的に増やすのが非常に難しかったC型肝炎ウィルスを実験室で増やせるようにする貢献をした方が国立感染症研究所 所長の脇田隆字さんです。

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世界で初めて成功したのです。
C型肝炎は普通はほとんど症状が出ないのですが、脇田さんは、たまたま激しい肝炎を起こした患者さんがいたことで、その中からよく増えるウィルスを分離し、調べたことが始まりで、その後培養に成功しました。
そして、世界上の研究者がこの実験系を使ってC型肝炎がどういった仕組みで増えるか、どうやったらその薬が効くのかを調べて、すごく早く進んだのです。
その後、現在のような抗ウィルス薬の飲み薬で効果的なものというのが、出来てきたのが2011年以降になります。
今は治療すればほとんどの患者さんを治すことができる、臨床では95%と言われています。
今後は残り5%の患者さんに対する治療薬を進めていくということでした。
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最後に
現在の日本でも肝臓がんの最大の原因がC型肝炎ウィルス。
かつては治せない病気と思われていました。
2011年の段階でも世界でC型肝炎ウィルスに感染している方が1億7,000万人もいましたが、現在は8,000万人に減ってきていて、治る病気になってきているそうです。
今回のノーベル医学・生理学賞を受賞した3名の博士と脇田医学博士など研究者の貢献のおかがということですね。
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