コロナ解析プロジェクトで、半年経たずに変異で5,000種以上あることや重症化のしくみ(血管の炎症や凝固)がわかり、治療戦略が見えた⁉

山中伸弥教授

2020年5月31日(日)、「サイエンスZERO」は”新型コロナ論文解析SP”

査読を経ないでネット公開されたコロナ論文

出典:NHK

山中伸弥教を中心としたコロナ論文解析プロジェクトについては「NHKスペシャル」で放送されましたが、AIを駆使して論文ビックデータ解析しています。

週に数千の論文を解析するためにAI活用

出典:NHK

ZEROはさらに深堀りし、5,000以上に枝分かれウイルス変異の実態、解明が進む重症化のしくみと期待の治療戦略を専門家と共に分析していました。
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データ、論文からわかってきたコロナウィルスの治療戦略

5,000以上に枝分かれしている新型コロナウイルスの変異の実態について

論文ビックデータからウィルスの変異についての論文が100近くも見つかっています。

ウィルスの遺伝情報の変異は、ウィルスが大きく変化すると、開発したワクチンが効かなくなる可能性がある、変異によって感染力の強いものが出てくると懸念があるので、非常に重要なのです。

新型コロナウィルスの変異の系統樹

出典:NHK

世界の研究者によってウィルスの遺伝情報データベースが作られており、そこからウィルスの変異の系統樹が浮かびかがってきました。

初期に広がったのはアジアタイプのウィルスで、それと同じものがアメリカの西海岸でも検出されるようになりました。

アメリカニューヨークなど東海岸にはヨーロッパの方に分岐していったウィルスに近いタイプが広がっています。

日本はアジアタイプ、ヨーロッパタイプ、両方の色々なタイプウィルスが検出されてきているのです。

5000種以上

出典:NHK

 

現在、新型コロナウィルスは変異して5,000種類以上見つかっているのです。

起源は?

新型コロナウィルスは専門的に見ると自然発生したものと考えるのが妥当ということ。

人工的にゲノム編集で作られたものというのは科学的信憑性が低いということなのです。

コウモリから直接来たのか、中間宿主を介してきたのかは不明ですが、人工的に作るとしても既知のウィルスをベースにするはずなのですが、既知のウィルスからはあまりにもランダムに変異が入りすぎているということです。自然になったとしかいえないくらい。

朝長啓造教授

出典:NHK

インフルエンザウイルスでランダムに変異を入れたり、特定の変異を入れたりして実験をしますが、すでに存在しているウィルスはその環境でベスト状態になっていますので、多くの場合は変異を入れるとウィルスの増殖性は落ちることはわかっています。

ウィルスの遺伝子情報操作

出典:NHK

レセプター(新型コロナウィルスの場合はACE2)にくっつくようにすることとウィルスの増殖性というのは変わってきてすべてを人工的に作ったウィルスで達成することはほぼ不可能に近いと思います。

河岡義裕教授

出典:NHK

つまり、人工的に作り出したなら増殖性が落ちるはずだが、増殖性は落ちていないからです。

今回の新型コロナウィルスとコウモリの中にあるウィルスはかなり遺伝情報が異なることもわかっており、コウモリから何らかの別の動物に感染して人間に広がったと考えられます。

病原性は変化した?

病原性が増したり感染力が増したりしているかは、遺伝情報からだけではわからないということでした。

病原性・感染性の増加について

出典:NHK

ワクチンはできるの?

インフルエンザと比べても変異は大きくはないので、臨床試験が進めばワクチンは出てきます。

ワクチンに関して

出典:NHK

しかし、世界中の人たちに接種できる量を作るには良い条件がそろっても2020年は難しく、2021年の冬あたりになりそうということです。

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重症化のしくみ

今回の新型コロナウィルスの重症化のパターンを見ていくと、肺炎などをきっかけに重度の呼吸不全をきたす急性呼吸窮迫症候群(ARDS)で肺に特に強い症状が出るパターンがある一方で、

重症化のパターン

出典:NHK

全身の臓器にさまざまな障害が出るパターンがあるのです。

重症化のパターンに加え

出典:NHK

国立国際医療研究センター病院国際感染症センター長の大曲さんが現場の最前線の状況として、本当に重症の方は肺だけではなく、腎臓を含むさまざまな臓器にかなりつよい障害が起こっていると感じるようになりました。

大曲貴夫センター長

出典:NHK

論文データの解析でも脳梗塞、肝不全、心不全、腎障害の報告があり、中には足の壊死につながる症状もありました。

新型コロナウィルスが引き起こす血管の炎症にその原因があるのではと、世界の研究者が注目しています。

血管の炎症が起こると血小板が集まってきて、大きくなり血栓と呼ばれるかたまりとなります。血流が滞り、さまざまな臓器にダメージを与えると考えられるのです。

慢性的な血管の炎症が起こっている生活習慣病疾患のメカニズムとほぼ同じなのです。

宮坂昌之名誉教授

出典:NHK

生活習慣病疾患を持つ人が新型コロナウィルスにかかると、

本来外敵に立ち向かう免疫細胞が出す炎症性サイトカインが異常に増加すると、免疫細胞が過剰に活性化し暴走したり、サイトカインストームという現象が起こり、血管までも攻撃。

さらに激しい炎症が起こるのです。

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治療戦略が少しずつ見えてきた

重症化の仕組みがわかってきたことで、

血管の炎症や凝固の問題といったものにどうアプローチをするのか、

サイトカインストーム自体をどういう形で抑えていけばいいのか、

治療としてアクセスできるポイントが抗ウィルス効果だけでなく色々あるということがわかってきました。

アクテムラ

出典:NHK

大阪はびきの医療センターでは、13人の重症患者に血管の炎症を抑えるとして、炎症性サイトカインIL-6の働きを抑える薬をほかの薬と並行して投与したところ、今まで9人が回復し退院に。

非常に効いた患者さんでは1週間でほぼ酸素が必要なくなったということ。

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最後に

これまでの新型コロナウィルスの治療はウィルスの増殖を抑えるなどの抗ウィルス効果を狙う薬がメインでしたが、全身で起きる血管の炎症を抑える治療戦略も行われはじめられているということです。

今のところ、特効薬として、この薬で治ったということは証明されているわけでないので、臨床試験を進めて行く段階なのですが、結果が待たれている状態です。

コロナ解析プロジェクトでの論文データは新型コロナウィルスに対するワクチンの開発や治療戦略を立てる上で非常に重要なデータになりますし、今後人類が新たなウィルスとの戦いに対しても、今回の記録をとっておくことは重要ということが、非常にわかりやすく放送されていました。

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CY

1970年長崎県五島生まれ 現在、家族は妻、息子の2人 品川区在住、品川区勤務 好きな作家:池井戸潤、伊坂幸太郎、真山仁 好きなドラマ:救命病棟24時、医龍 好きな映画:グローリー 好きな女優:石田ゆり子、イングリッド・バーグマン 好きなスニーカーメーカー:PATRICK