ノーベル賞2019、物理学賞は宇宙構造の解明に貢献した3名の博士受賞。50年、25年前の業績がやっと‼

ぺガスス座の51番星と惑星

2019年12月8日(日)、NHK「サイエンスZERO」では今週授賞式があったノーベル賞に関する放送。

“科学のノーベル賞、全部やります”ということで、日本人が受賞した吉野彰さんの化学だけでなく医学・生理学分野、物理学の成果内容や裏話について放送されていました。

物理学賞は宇宙の発見に貢献した3名で何十年も前の業績がやっと評価されたのです。

ノーベル物理学受賞の3名、2019年


出典:natureasia.com

ノーベル化学賞の吉野彰博士の研究もそうですが、これらの業績をきっかけに現在はさらに世界に大きく貢献している方々ということを、われわれはさかのぼって考えていかなければいけない時代になってきているということかもしれません。

が、まずは今回のNHK「サイエンスZERO」で放送されたノーベル物理学賞の内容について。
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宇宙構造の解明に大きな貢献した2名と1名

「太陽型の恒星の周りを回る太陽系外惑星の発見」で2名受賞

ミシェル・マイヨール博士(ジュネーブ大学)と弟子であるディディエ・ケロー博士(ジュネーブ大学)は太陽系以外にも恒星の周りを回る惑星を初めて発見した業績での受賞です。

多くの研究者が太陽系以外にも恒星の周りを回る惑星を探してきましたが、なかなかみつけられなかったのです。

その理由は太陽系を遠くから見てみるとわかりますが、10光年離れたところから太陽を見た時に、太陽は光る点でしか見えません。ということは、光ってない惑星を遠くから探すことは非常に難しいことだったのです。

1994年、マイヨール博士とケロー博士は惑星を直接探すのではなく、恒星の動きに注目することで探そうとしていました。

重い惑星が回っていると、恒星も引っ張られて、動いてしまい、結果、恒星が円を描くようにふらついてしまうからです。そして、この動きは地球に届く光に影響します。

この光の波長は、恒星が向こうに離れて行く時は引き伸ばされて長くなり、逆に近づく時は恒星自身の動くスピードにより光は押し縮められ、短くなるのです。光のドップラー効果とも言われる現象です。
この原理によって恒星からの光の波長が周期的に変化していれば惑星があることがわかるのです。

ペガスス座の51番星の光の波長の周期(4日)

出典:NHK

マイヨール博士とケロー博士はペガスス座の51番星が波長の変化から4日周期でふらついていることがわかりました。

ペガスス座の51番星

出典:NHK

こうして発見されたのが恒星のすぐ近くで周る重力の強い惑星です。

この研究をきっかけとして太陽家の外に惑星が次々と発見されるようになりました。

最近、よく使われるのはトランジット法といい、恒星の前を惑星が横切ると、恒星の光が一部遮られ少し暗くなるのですが、その現象周期的に起きていた場合、惑星がある可能性があるということで、そこから絞り込みを行うのです。

今では系外惑星が次々に見つかって4,000以上にもなりました。
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「物理的宇宙論の理論上の発見」で1名受賞

ジェームズ・ピーブルズ博士(ブリンストン大学)は、宇宙の最初はビッグバンがあって、そこから宇宙が膨張して今の宇宙になってきたとされてますが、そのはじまりから現在に至るまで、どんなことがあったのかという理論(標準宇宙論)を1960年以降打ち立ててきたことの確立に尽力してきた方なのです。

そして、そのピーブルズ博士の著書は研究者の教科書的な存在なのです。

ピーブルズ博士の著書

出典:NHK

 

その中から一つ。

ビッグバンが起きた証拠をみつける方法が書いてある論文ではビッグバンの痕跡になる光というのがあり、それは今の宇宙でも観測してみつけることができるし、今のわれわれのところに電波の形で届いているはずで、その波長はこのくらいではないだろうかということが、計算で示されています。

ビッグバンの痕跡の光の電磁波の波長の計算

出典:NHK

実際にその電波はホーンアンテナを使った別のアメリカのグループ(ペンジアス博士とウィルソン博士)によって観測されていたのです。

ホーンアンテナ

出典:NHK

宇宙のどちらの方にホーンアンテナを向けてもどちらからも電波のノイズが届く理由をペンジアス博士とウィルソン博士はわからなかったのです。

宇宙マイクロ波背景放射についての4人での論文

出典:NHK

その理由を「宇宙背景放射」という微弱な電波の存在することと予言し、計算で示しているのがピーブルズ博士(ロバート・H・ディッケに師事)達なのです。

観測家であるペンジアス博士とウィルソン博士は1978年にノーベル物理学賞を受賞していたのですが、その時はノーベル賞受賞は1度に3人までという条件などがあったため、その時には残念ながらピーブルズ博士は受賞できませんでした。

やっとということですね。
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最後に

現在よく使われている太陽系以外にも恒星の周りを回る惑星を探す方法であるトランジット法については「ノーベル賞、マイヨール名誉教授の1995年太陽系外惑星発見から34年。今はTESSのデータで年1000個の生命惑星候補が‼」にて以前記事をアップしまてますので、興味があれば。

外惑星探索衛星の進歩、そして現トランジット系外惑星探索衛星TESSについてもわかりやすい記事にしておりますので。

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1970年長崎県五島生まれ 現在、家族は妻、息子の2人 品川区在住、品川区勤務 好きな作家:池井戸潤、伊坂幸太郎、真山仁 好きなドラマ:救命病棟24時、医龍 好きな映画:グローリー 好きな女優:石田ゆり子、イングリッド・バーグマン 好きなスニーカーメーカー:PATRICK