1メートルレベルの超詳細気象予測はスポーツ戦術だけでなく、日常生活に必要に。【アスリート科学の現状③】

日ざしのデータと気温のデータを比較

2020年10月11日、NHK Eテレ「サイエンスZERO」は”暮らしを変える”アスリート科学”最前線”でした。

為末さん、400mハードルではやはり風に気づかっていたということ。「ハードルの間は35mなのですが、前から風が吹くのか後ろから吹くのかで2~30cmズレてしまうから」ということ。

アスリートにとっては細かい気象情報をつかんでるかつかんでないかで結果に大きく響くということです。

超詳細気象予測による温度分布

出典:NHK

そして、細かい気象情報はわたしたちの一般的な暮らしにも欠かせなくなってきています。

放送されていた、アスリートの戦術を支える超気象予測の現状について紹介しします。

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今までの気象予報の100万倍も細かい超気象予測が必要になってきている

アスリートにとっては戦術上欠かせないもの

2020年の箱根駅伝優勝に輝いた青山学院大学のチームを率いた原晋監督は、温や風向きなど正確な天候の予測は戦略上欠かせないと言います。

原晋監督

出典:NHK

「前半オーバーペースで走っても、後半涼しくなるという情報があれば我慢できるわけです」「逆にスタート地点が涼しいコンディションだとしても後半日ざしがすごく出てきて、(天気の情報を知らずに)前半ハイペースで突っ込んだら、後半ボロボロに、オーバーペースでぶっ倒れますよね」

戦術の大きな柱のひとつ

出典:NHK

「『何キロポイントはきっと風が吹くな』『気温が上がってくるな』『思ったよりも上がらないな』という事前のシミュレーションを戦術の大きな柱のひとつにわたしは持ってます」

そのためには、今までの地域一帯の気象予測だけではシミュレーションできません。

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超詳細な気象予測はどんなもの?

そこで、今までにない超詳細な気象予測で民間企業と共にアスリートを支えようとしているのが、筑波大学の日下博幸教授。

日下博幸教授

出典:NHK

都市に特化したシミュレーションモデルを使って、路地1本レベルの細かさで気象予測を行う世界トップレベルの研究者です。

「例えば、ビルの谷間を吹き抜ける風とか、ビルの陰になってる所とひなたの気温や暑さの違いとか、非常に細かい街区の中の複雑な風の流れとか温度分布が出るようになります」

コンクリート、アスファルト、木の種類、ビルの高さや材質、街路樹の大きさや配置などを細かく再現、都市特有の暑さやビル風も緻密にシミュレーションしています。

日下さんの気象予測シミュレーションの細かさ

出典:NHK

その細かさは1m!

現在一般的に入手できる天気予報データと比べ100万倍の細かさ

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実測調査で超詳細な気象予測の正確性を確認!

2020年8月、シミュレーションがどのくらい正確かを東京駅で実測調査しいてみました。

実際の温度

出典:NHK

サーモカメラで見ると、同じ歩道でもひなたと日陰で地面の温度にむらがでていることがわかります。

シミュレーションによる温度予測

出典:NHK

上の画像はシミュレーションによる気温予測。

ある地点のシミュレーション気温予測

出典:NHK

例えばこの地点のシミュレーションによる温度予測は31.8~32.0℃でした。

実際の気温計は32.0℃

出典:NHK

実際は32.0℃と、

シミュレーション値どおりの実測値

出典:NHK

実測値と一致でした。

観測地点19ヶ所のうち17ヶ所で一致

出典:NHK

19ヶ所のうち17ヶ所でおおむね一致と、実測値とシミュレーションの値はほぼ一致しています。

東京駅前

出典:NHK

さらに日下さんが注目したのが東京駅前のこのポイント。

よく見るとグラデーションになっています。

日ざしのデータと気温のデータを比較

出典:NHK

日ざしのデータと気温のデータを比較すると同じように日差しの強いエリアでも気温の高いところと低いところがあります。

どういうことでなのしょうか?

日下教授「風に注目すると何かわかるかもしれない」

風向・風速データと気温データの比較

出典:NHK

シミュレーションから風にカギがあることがわかりました。

駅前のロータリーには南からの風が吹いてますが、その右側、駅の出口付近は無風状態。

無風の場所は気温が高い

出典:NHK

同じ日なたでも空気がよどんでるエリアだけ気温が高くなることが分かります。

超詳細暑さ分布図

出典:NHK

今までの天気予報ではわからない、超詳細な暑さの分布図を予測できるのです。

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最後に

日下教授はこのシミュレーションを使って街の暑さ対策に活用をはじめているそうです。

国内の最高気温を更新したこともある岐阜県多治見市で、市民が少しでも暑さをやわらげるために最適なドライミストの高さや街路樹の位置をシミュレーションで導き出し、涼しい街づくりに活かしました。

洪水のハザードマップみたいにあらかじめ暑さマップを持っていれば、『少しでも涼しいところを歩くことにしようか』や『この時間帯はここは暑いから避けよう』とかで活用してもらいたいと、今後はこれまでにない細かさの熱中症マップの作成を考えています。

確かに、減災のためにも超詳細な気象情報がもっと多くの場面で必要になってくることは近いと思いました。

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CY

1970年長崎県五島生まれ 現在、家族は妻、息子の2人 品川区在住、品川区勤務 好きな作家:池井戸潤、伊坂幸太郎、真山仁 好きなドラマ:救命病棟24時、医龍 好きな映画:グローリー 好きな女優:石田ゆり子、イングリッド・バーグマン 好きなスニーカーメーカー:PATRICK