2020年2月19日(水)NHK Eテレ「又吉直樹のヘウレーカ!」は”雲の心 読めますか?”で、新海誠監督の映画「天気の子」の気象監修を担当した気象庁気象研究所研究官の荒木健太郎さんが又吉さんに雲の愛し方をレクチャーされてました。

出典:NHK
荒木さんは気象庁に勤務し、災害をもたらす雲のメカニズムを解明しようとしています。
が、それ以前に雲への愛が強すぎて、数々の著書に書き記し、毎日雲の画像をSNSに投稿して、雲の研究に人生を捧げている方なんです。
雲のことを好きになっていくとうれしいことが2つあり、美しい空や雲を自分から見に行けることと災害から身を守れるようになることだそう。

出典:NHK
荒木さん主観の雲を愛する技術のレベル1~6があり、今回の放送内の荒木さんの上手なレクチャーで又吉さんの放送開始時のレベル(レベル1)からどのレベルまで上がるのか?
見ているとすごく勉強になりますので紹介します。
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観天望気は生きていく上で大事なことであると原点回帰
レベル2:雲の名前を3つ以上覚える
巻積雲と高積雲
うろこ雲と入道雲しか知らなかった又吉さんに荒木先生が雲の名前を教えます。

出典:NHK
又吉さん、これがうろこ雲と思っていたのは実はひつじ雲だったのです。

出典:NHK
積乱雲
荒木先生が好きな雲は積乱雲。
又吉さんの前に8枚の写真を積乱雲が成長する順に並び替えクイズを。

出典:NHK
扁平積雲から並積雲に。

出典:NHK
並積雲から雄大積雲(入道雲)に。

出典:NHK
頭巾雲に。

出典:NHK
そして、積乱雲ができ、さらに伸び、ある雲が積乱雲の前に現れたら、竜巻や雷の前兆になるということです。

出典:NHK
ある雲とは、乳房雲と言う名前だそうです。
観天望気は天気予報がない時代から、経験的に培われたものですが、その多くは今では科学的な根拠あることがわかってます。
そういえば、諸葛孔明の赤壁の戦いや豊臣秀吉の備中高松城の毛利水攻めや山崎の合戦は天候が勝敗に大きく影響したということはよく聞きますが、観天望気によるものだったのですね。
わたしたちはこの基本(観天望気)抜けていて、予報に頼り、半分だけしか信じず、自分には被害が及ばないだろうと過信し、被害に合っていることが多いということを荒木先生はおっしゃりたいのかもしれませんね。
荒木健太郎の愛雲コレクションの一部
彩雲

出典:NHK
太陽に近くに、水滴ができた水雲があるときに光の回析で生まれます
穴あき雲

出典:NHK
氷点下まで冷えた水雲の中で氷の粒が成長し、水滴が蒸発することで穴が開きます
薄明光線

出典:NHK
太陽が雲の後ろに隠れたときに光や影が伸びる現象で、下向きに延びるものは”天使のはしご”と呼ばれます
月光環

出典:NHK
月に薄く広がった高積雲や巻積雲などがかかったときに発生する彩りのこと
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レベル3:雲や雪の画像をSNSに投稿する
雪の結晶は雲の中の様子を知る重要な観測データ
雲の正体は、以前放送されたの「又吉直樹のヘウレーカ!」でもありましたが、水と氷の粒でできてるのです。
雲の中の気温や水分の量で雪の結晶は形が変わるので、雪の結晶を調べれば、どんな雲が雪を降らせるか予測につながります。雪の結晶は雲の中の様子を知る重要な観測データです。

出典:NHK
しかし、年に数回しか雪が降らない関東ではこれまでの観測データの蓄積がほとんどなかったのです。
そこで、荒木先生は首都圏に暮らす人たちに、スマホとマクロレンズで雪の結晶を撮影してアップしてもらうことをSNSで募集したのです。
すると、3年間で8万枚以上の研究サンプルが集まったのです。
雪の結晶はみぞれやひょうも含めると120種類以上ありますので、現在は実態解明中ということ。
荒木健太郎の雪結晶コレクションの一部
角板

出典:NHK
扇付角板

出典:NHK
角板付樹枝

出典:NHK
角板鼓

出典:NHK
針

出典:NHK
レベル4:自分で雲を作って楽しむ
アイスコーヒーを飲むときに、気象現象を楽しめるということ。
アイスコーヒーにミルクを垂らすと、コーヒーの中でダウンバーストが起こっているという。
ダウンバーストとは積乱雲の中でできた下降流が地上に多数るときに、周囲に広がって強風被害をもたらします。
発達した積乱雲から雨が降るとそこから強風が広がって、ガスとフロントのところで、また周りの空気が持ち上げられて、新たな積乱雲が発生することもあります。

出典:NHK

出典:NHK
ホットコーヒーの場合は水平シア不安定(大気などの流れにズレがあるときに発生する)に見え、水を張った容器に墨汁を垂らして棒を通すとカルマン渦列(雲の渦が列状に並ぶ現象)に見えるということで楽しめるのです。
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局地的大雨の被害を回避するために
荒木先生、ゲリラ豪雨(積乱雲による局地的大雨)による被害を回避するための方法も教えてくれました。
まずは、空を見て、雲の異変を感じ、怪しげな雲が現われたら、気象庁のホームページを開き、雨雲の動きを見ます。
1時間ごとで予想がでるので、今いるところに雨雲が迫っていないかを確認して備えるということです。
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最後に
「地震雲ってあるんですか?」という又吉さんの質問に荒木先生は「雲は地震の前兆にはならないです」ときっぱり。
日常的に雲を見て異変に気付くことができるようになると、間違った情報にも惑わされない。「雲への愛が足りない」。いつも雲を見ていたらありふれた雲と言うこと。
で、又吉さんのレベルは4まで行ったと思いきや、本人はきょう一日でレベル8まで行ったということ。
荒木先生が「レベル8?」と確認すると、又吉さん「自分が雲になった」ということでレベル8らしい。
荒木先生も「すばらしい」と。
このお二人、波長が合ってる感じがすごくし、この二人の会話を聞いているだけで、番組の最後はわたしも巻積雲を見ているときのように癒され、雲について勉強もでき充実した気分でした。
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